ナギナタガヤ
暮らしとのかかわり
 石黒では出会ったことはない。市街地周辺では農道の端などに群生しているものによく出会う。
 春の早い頃には群生して丈も短く自然と「ウシノケ」という植物名が頭に浮かぶ姿の植物であるが、やはり、分類上はウシノケ属であった。
 数年前からこの植物に興味をもち名前を知りたいと思っていたが、ようやくWEB上で調べナギナタガヤであることを知った。「ナギナタ」も「カヤ」もこの草の特徴を表わしてはいないと思うが、「ウシノケ属」であれば納得するほかない。
 5月の下旬ころには高さは30〜40pほどになり、密生して他の植物の入り込む余地がない。この性質を利用して果樹園の林床に植えこみ他の雑草の侵入を防ぐことも行われているようだ。
 変種にオオナギナタガヤがあるが、西日本に限られているとのこと。

写真2016.5.24下藤井 

                                                全体の姿
写真2016.5.24下藤井

                群生の様子
写真2016.5.24下藤井


解 説
イネ科
 明治時代に帰化した植物。本州から四国・九州に分布する。一年草。乾燥した荒れ地に群生する。
 高さ20〜50pで茎は細く節は濃い紫色である。
 葉は幅0.5mmほどで、ふつう両縁が内巻となり毛がある(下写真)
 花期は5〜6月。茎の先に細長い総状円錐花序をつける。小穂は小型で緑色、3〜5個の小花からなる。長さは(のぎ)を除いて0.7〜1p。第1、第2包頴は針状で小さい。護頴には長い芒がある。
 名前の由来は、花序が一方に傾くこ様子が薙刀(なぎなた)似ていることによる。



  紫色の節と密生する毛
写真2016.5.24下藤井

     上部の様子
写真2016.5.24下藤井

    ひげ根の様子
写真2016.5.24下藤井