ムギクサ(石黒には自生しない) | |
暮らしとの関わり 石黒では自生しないが、柏崎の市街地の国道8号線沿いで見かけた。 開花期になると赤みがかったムギ(ビール麦やライ麦)に似た穂が目を引く。 牧野植物図鑑(1989年版)によれば、「日本の所々に帰化している」とあるが、WEB上で調べると現在では全国で見られるとのことである。また、耐旱性、耐塩性があり、土壌の種類を選ばないといわれる。 在来種や畑作物との競合や害虫等の寄主として要警戒の帰化植物とされるが、筆者には、花期のころに一輪差しに生ければ、涼感を呼ぶような姿にも思われる。 昨日〔2014.6.12〕、散歩がてらに西中通の自生地を訪れると、ほとんどの個体は熟して麦秋を迎えていた。下写真 再び今日〔2014.6.17〕に訪れ、小穂を採って観察すると中央に種子らしいものがあったので取り出してみると確かに麦に似た形をしていた。下写真 今年(2016)は幼苗の様子を観察しようと3月の内から上記の場所に通ったが、それらしい草はあるが同定できないでいた。しかるに、数日前(4月下旬)にすでに穂を出した一株を見つけた。その他は全然見当たらない。一年で急激に絶えた原因は何であろうか。筆者の散歩道沿いであり除草剤が撒かれたこともなかったのだが・・・・・。そんな訳で下の3月11日の写真もムギクサではない可能性が高い。 今朝(2021.6.1)いつもの散歩道の国道8号線からの入口の農道の用水路付近でムギクサに出会い驚いた。数年来ここは散歩道で見慣れた場所であったが初めての出会いである。おそらく数年前に種子が何かによって運ばれて発芽しこれまでに増えたものであろう。 写真2011.6.2 西中通 ムギクサ幼苗であろう (観察中) 写真2016.3.11西中通 出穂前 写真 2018.4.28 西中通 出穂の頃 写真 2018.5.2 西中通 コンクリート道路の割れ目に生えたムギクサ 写真 2018.5.9藤元町 5〜6月の生長の様子 写真2014.5.13 西中通 写真2014.6.1西中通 写真2014.6.29西中通 国道沿いに見られるムギクサ 写真2011.6.2 西中通 新田畑で出会ったムギクサ 写真2021.6.1 新田畑 全体の姿 2014.5.13西中通 小穂 写真2014.6.17西中通 |
解 説 イネ科 本州、四国、九州に道ばたや空き地に生育する。一年生または越年性。 ヨーロッパ原産の帰化植物。1870年頃に横浜で確認される。 茎は高さ10〜50p、平滑で無毛、節の部分がやや屈折する。(左下写真)著しく叢生する。 葉の長さは5〜10pで両面の脈上に軟毛がある。葉の基部には茎を取り巻くような葉耳がある(上写真)。最上位の葉は葉鞘が発達して花穂を包む。 (下写真) 葉鞘は無毛。全体の姿はムギに似る。 花期は5〜6月。花序は穂状で小穂は各節に3個ずつつき中央の小穂は小梗がなく両性で結実する。側生の小穂は雄性で小梗があり共に1小花よりなる。 中央の小穂の包穎は線状被針形で3脈があり長い芒があり縁に毛がある。 花期のころ 写真2021.6.1 新田畑 穂が開くまでの様子 写真2014.6.1拡大画像→クリック 茎の上部 写真2011.6.2 西中通 葉鞘が発達し穂を包む 写真2014.5.13西中通 出穂が始まる 写真 2018.5.2 西中通 出穂 写真2016.5.1西中通 オオムギに似た穂 写真2011.6.2 西中通 成熟に向かう穂 写真2021.6.1 西中通 成熟した穂 写真2014.6.12西中通 小穂 写真2014.6.1西中通 麦に似た種子 写真2014.6.17西中通 |