ミヤマヨメナ
暮らしとの関わり
 ミヤマヨメナは、石黒では少ない植物の一つだ。子どもの頃から何度か見てはいるが、春に咲くノギクもあるものだな、という程度の関心しか持たなかった。
 今回、じっくりと観察してみると確かに園芸種ミヤコワスレにそのものである。
 ただ、その多くは杉林の入り口などの薄暗いところにあることと花がまばらなためにあまり目立たない。
 しかし、近づいて見ると清楚でありながら凛としたその草姿に見とれてしまう。
 日本人好みの野草であり江戸時代から「野春菊」と呼ばれ、盆栽や生け花に好んで使われたと伝えられる。

〔写真2007.6.18上石黒元屋敷〕


        下部から上部の葉の形の変化

    
 写真2007.6.18上石黒 

              互生する葉

写真2007.6.18上石黒 

解 説
キク科
 本州から九州の山地の林内に生える多年草日本固有種
 地下茎は横に伸びる。
 茎は直立し20〜50pで緑色。
 葉は互生し(左写真)根出葉のある長柄がある。形は卵形または倒卵形で上部の葉は次第に無柄となり巾も狭くなる(左下写真)。いずれの葉も縁には粗い鋸歯があり両面に微毛がある。
 花期は5〜6月。枝の先に白色〜淡紫色の頭状花をつける。
 花径は約3pで舌状花は少なく外側一列のみで内側の管状花は黄色(上写真)総包片皮針形で先が尖る(下写真)
 名前の由来は深山に生えるヨメナの意味。


         総包と総包片
写真2007.6.18上石黒