メハジキ
 今日(2012.10.22)比角コミセンの「野山を歩こう会」で磯野辺の黒姫登山道入り口あたりから集落跡まで歩いた。
 集落ちかくの棚田(全国棚田百選)の近くの道路沿いで見かけない植物が目を引いた。
 折よくその付近におられた集落出身の方に尋ねると「メハジキ」という名前で昔から自生していたということであった。
 石黒でも、市街地周辺でも見かけない植物である。
 花の盛り時期は過ぎていたが上部の細い葉と下部の深く裂けた葉は確認できた。しかし、根生葉はすでに枯れて形状を留めていなかった。是非、来春は、幼苗のうちから観察したいものだ。
 磯野辺の道端では他に見かけなかったことから高柳地区では絶滅が危惧される種の一つになっているのではなかろうか。

写真2012.10.22 磯之辺


        花期も終わる頃のメハジキ

写真2012.10.22 磯之辺 (背景は黒姫山)

            拡大写真

写真2012.10.22 磯之辺

解 説
シソ科
 日本全土に野原や道端に生える二年草
 根は太く直下する。
 茎は四角形で直立し高さ50〜100cm。まばらに枝分れし葉と共に白色の細かい毛が密生する(下写真)
 根際の葉は長い柄があり、卵状心臓形で粗い鋸歯かあり花期には枯れる。
 茎の下部の葉は長さ5〜10cm。深く3裂し、裂片はさらに羽状に切れ込み縁には鋸歯がある。上面は灰緑色。
 上部の葉は次第に小形になり切れ込みも少なくなり、披針形または線形全縁となる。
 花期は7〜10月。枝先の葉の脇に淡紅色の唇形花を数個ずつ段状につける。ガクの先はとげ状に鋭く5裂する。花冠の長さは10〜13mm、下唇は3裂して前方に突き出し内側に赤い筋がある。
 果実は4個の分果からなり分果の長さは2.3mm。黒色で3稜があり永続性のガクに包まれている。
 名前の由来は「目弾き」の意味で子供が茎を細かく切りまぶたに取り付けて目を開かせて遊んだことによる。



     茎とガクの特徴
写真2012.10.22 磯之辺

   種子 ※目盛り→mm
写真2012.10.23