マルバルコウソウ
暮らしとの関わり
 石黒では昔〔1940年代〕「チョウセンアサガオ」と呼んで庭に植えた。花は小さいが沢山咲くので美しかった。また、花の明るい橙色と筒の長い形が印象的であった。
 また、昼ごろまでは、しぼまずに咲いているだけでなく朝顔に比べて強健で育てやすいところも長所であった。
 子どもの頃(1945年ごろ)には野生化したものは目にした記憶はない。しかし、現在は、集落内の道ばたなどに野生化したものが見られる。掲載の写真は大野〔元屋敷と村道沿い〕で撮った。
 先日(2009.10.7)、マルバルコウソウの根を掘ってみたところ肥大した根茎が現れた。
 今日(2018.9.19)、ふるさと便り用の稲刈りビデオの撮影に 石黒に出かけた。わが故郷は今が稲刈りの最盛期だ。
 途中で野生化したマルバルコウソウが毎年開花する場所に立ち寄ると今年も沢山の花が咲いていた。初めてここを訪れ出会ってからほぼ毎年出かけているが毎年同じ場所に同じ程度の数の花が見られる。
 筆者は小学生の頃(1945年頃)には、「チョウセンアサガオ」と呼び姉に勧められて庭で育てて楽しんだ。アサガオに比べて極小だが、どこか私には心を引き付ける忘れがたい花である。
 名前は牧野図鑑には「マルバルコウソウ」とあるがその他の図鑑では「マルバルコウ」と表記するものが多い。右記に示した通りその由来は葉が羽状に裂けるホソバ(細葉)ルコウソウと区別したことに依るとされている。であれば、「ルコウ」より「ルコウソウ」とした方がすっきりとして分かりやすいと思うので本サイトでは「マルバルコウソウ」と表記することにした。

写真上・右上2008.10.3大野 右下2005.10.12大野(人家の近く)


         野生化したマルバルコウソウ

写真2008.10.3大野
       野生化したマルバルコウソウ-2

写真2014.9.28 新道   背景黒姫山
            左巻きの茎

写真2013.10.5 田塚

     爪状の突起を持つガク-1

写真2008.10.3大野

         葉の表裏

写真2008.10.3大野

               花期
写真2008.10.3大野

            つぼみ〜果実へ
写真 2010.10.13 大野

  過去10年間同じ場所に見られる-上2008年の写真

写真2018.9.19 大野 元屋敷(上石黒地所)

解 説
ヒルガオ科
 本州中部以南の各地に見られる熱帯アメリカ原産の1年草
 江戸時代から観賞用として栽培されたと伝えられる。現在は日本各地で野生化している。
 茎は長く伸び左巻きで他の草にからまる(左写真)
 葉は互生し長い柄があり心臓形で先はとがる。〔左下写真〕
 花期は8〜10月。葉の付け根から長い柄を出して径1.5〜2pで朱赤色で長い筒がある花を3、4個つける。〔上写真〕
 ガク片は5個で長さ不揃いで先端に爪状の突起を持つ〔左下写真〕花冠の筒は長く花の形は、ほぼ五角形で浅く小さい切れ込みがある。雄しべは5個、雌しべは1個。〔下写真〕
 さく果は球状で下に残存ガクをつけている。〔上写真〕
 名前の由来は葉が羽状に裂けるホソバルコウソウと異なり葉が丸いことによる。



       幼苗
写真2011.5 蒔種

      花序の様子
写真2009.10.7大野

     花冠のようす
写真 2017.9.21小村峠

    雌しべと雄しべ

写真2008.10.3大野

      肥大した根

写真2009.10.7大野
       
   がく片の爪状突起-2
写真2009.10.7大野

 花後(中央)とつぼみの様子

写真 2017.9.21小村峠

       果実

写真2010.10.13大野

      宿存ガク

写真2008.10.3大野
     
        種 子
写真2011.10.20大野