クサアジサイ | |||||||
暮らしとの関わり 石黒ではクサアジサイは、たまに出会う植物の一つである。新潟県が北限のため個体数も少ないのであろうか。 時々出会うが、いずれも林や低木の中に中にひっそりと生きている感じを受ける草である。 枝も張らず控えめの花枝を立てて白い花を咲かせる姿は印象が強い。 淡桃色の花もあるというが石黒でまだ出会ったことはない。 アジサイ同様、花の時期が過ぎても花に見えるガク−装飾花が秋まで残っていてそれなりの美しさがある。〔上右下写真〕 (写真2005.7.11居谷 右上・下2005.10.13下石黒) 両性花と中性花 写真2006.7.20落合 さく果と種子 写真2009.10.31下石黒
葉と葉のつきかた 写真2009.10.10落合 果実期の草姿 写真2009.11.2下石黒 |
解 説 ユキノシタ科 本州の宮城・福島県以西、四国、九州の山地のやや湿った林床に生える多年草。 地下茎は木質で毎年1年生の地上茎を数本直立してふつう分枝しない。 茎は高さ20〜60pで枝分かれしない。全体に白色の粗い毛をまばらに生じる〔左下写真〕。 葉は長さ10〜20p、幅3〜6pで互生し柄をもち縁には鋭い鋸歯がある。両面に白色の細かな毛がある。〔下写真〕 花期は7〜9月。茎の先に白色(希に淡い紅紫色)の小さな花が集ってつき、外側にガクが花弁状になった中性花〔装飾花〕がつく〔左下写真〕。中性花のガク片は2〜3個で広卵形で先がとがる。ガク片1片の長さ7〜18o〔左写真〕。 両性花は小型で径6〜7o、ガク筒は長さ1.5〜2oで外側に粗い毛がある。ガク裂片は広卵形または3角状卵形で長さ0.5〜0.6o、幅4〜5o。 花弁は長さ2.5〜3o、幅2〜2.5oで両者とも花期には平開する〔下写真〕。 雄しべは約20個、長さ2〜3oヤク〔葯〕は黄色。子房は花柱を除きほとんどガク筒に合着する。 花柱は花期には3個直立して長さ0.5〜0.8oで果期には外曲し長さ1〜1.5o〔下写真〕。 さく果は長さ3〜4o。種子は楕円形で長さ約1o。〔左写真〕 新潟県が分布の北限とされている。 名前の由来は草でアジサイのような花が咲くことによる。 花序 写真2006.7.20落合 両性花 写真2006.7.20落合 3個の花柱 写真2006.7.20落合 葉の鋭い鋸歯と白い毛 写真2006.7.20落合 果実期 写真2009.10.31下石黒 |