クルマバハグマ | |
暮らしとの関わり 石黒では「ヤマタバコ」と呼んだ。方言名の由来は不明であるが車状に広がった大きな葉からタバコの葉を連想したものであろうか。 道端の林の入口などに多く見られる。放射状に広がった葉は人目をひくが、花は極めて地味である。 だが、先日、花を間近に観察すると意外に美しいのに驚いた。→花の写真 最近の研究によれば、クルマバハグマは種子発芽から繁殖段階に達するまでに25年程度、時には100年以上かかるということもあるという。ふつう、個体は80年ほど生存するというから人間の平均寿命とほぼ同様である。〔参考資料→日本生態学会全国大会講演要旨http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/55/P1-055.html〕 (写真上2005.7.5寄合 右上2005.5.19上石黒 右下2005.11.6上石黒) 幼 苗〔※中央茶色物体は枯葉〕 写真2009.5.25下石黒 花期直前 写真2005.5.19下石黒 秋のクルマバハグマ 写真2005.10.29落合 晩秋の様子 2007.11.28下石黒 柄のない葉(裏面) 写真2010.6.30下石黒 |
解 説 キク科 近畿地方以北の主に日本海側に自生する多年草。山地の林床に生える。 根茎は長くはって節があり、草丈は30~60㎝で車状に6~8枚つく。 葉は茎の中ほどに7~8枚集まってつき柄はなく(左下写真)長さは12~30㎝、幅4~12㎝。先は鋭く尖り、葉ウラは白色を帯びる。(左上写真)質は皮質でやや3脈、網状脈が見られる。 花期は8~9月。花茎を伸ばし白い小さな花(管状花)を7~10個ほどつける。小花の花冠は反曲する5裂片があり雌しべと雄しべ花の外に突き出る〔花の写真〕。花柄には包葉がある〔下写真〕。 そう果は長さ約7㎜、粗毛で羽毛状にはならない〔下写真〕。 名前の由来は、クルマバは「車葉」、ハグマは「白熊」と書く。ハグマは仏具の払子(ほっす-毛はたき-下画像)に使うヤクの毛のことで小花の裂片の様子をそれに見立てたもの。→下写真 参考画像 払子-ほっす コピー画像 クルマバハグマつぼみ 写真2005.6.15落合 包 写真2005.9.9上石黒 クルマバハグマの花 写真2006.9.29上石黒※名前の払子に見立てたものはこの小花の裂片。 花後 写真2009.10.19下石黒 そう果 写真2011.12.2畔屋 種子 写真2009.11.30上石黒
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