クガイソウ
暮らしとの関わり
 クガイソウは、淡い紫色の花穂が美しくよく目立つ。何段にも輪生する葉も美しい。山道で花を見かけると思わず足を止めてしまう。花穂が下から順次咲いていくため、色の配分といい形といい気品を感じる。
 石黒ではどこにでも見かけるというほど多い植物ではない。(花期に、周りの植物が繁茂し藪の中に埋もれてしまうせいであろうか)
 子どもの頃、この輪生した葉を折ってカザグルマを作って遊んだ。そのためか、〔あるいは輪生する葉の様子からか〕石黒では「カザグルマ」と呼んだ。

(写真上2005.7.18寄合)


         花のつくり

写真2009.7.19下石黒

      クガイソウの若芽

写真2006.5.9 下石黒

       花期前のクガイソウ

写真2009.5.14下石黒

                花期

 写真2009.6.19上石黒

       花期を過ぎたグガイソウ

写真2005.8.26寄合


解 説
ゴマノハグサ科
 本州の山地に広くに分布する多年草
 茎は株立ちで直立して80〜120pでほとんど枝分かれしない。
 葉は、4〜8枚の葉を輪生し5〜9段につける。葉の基部は無柄。縁には細かな尖った鋸歯がある。長さは6〜17p、幅2〜4p。
 花期は7〜8月茎の先に小さな紫色の花が穂状につく。花は下から順次咲き上げていく。(右上写真)穂が数本に分岐するものもある。(写真右上)
 ガクは5片に深く裂け、裂片は披針形で先がとがる。花冠ガクよりもずっと長く筒型で長さ7〜8o。〔左写真〕先は浅く4裂し、花筒外部は無毛、内部には軟毛が密生している〔下写真〕
 雄しべは2本で、まず花の外へ伸び出して〔左写真〕花粉を散らし、花粉の散布が終わった頃にメシベが出て他の花から受粉する。
 果実はさく果で長さ3〜4oの卵形でその中に半球形の多数の種子がある。
 名前の由来は葉が9層ほどに重なることによる。



     花の中の軟毛

写真2009.7.19下石黒

        花穂

 写真2005.7.18下石黒