コケオトギリ

暮らしとの関わり
 初めて上の写真の紅葉の個体に出会ったのは、8月下旬であり紅葉には早い時季であり、珍しい野草に出会ったと思った。県道沿いの道路工事用の土砂置き場で除草剤撒布も考えられなかった。〔除草剤の薬害による葉の変化はよく見られる〕
 その後、9月に、赤みを帯びた個体とは大野集落の親子地蔵のあたりでも出会った。また、近くに緑色の個体も多くあったので、コケオトギリだと思った。
 その後、日本原色雑草図鑑〔全国農村教育協会編〕に「全体にかなり赤味を帯びている」とあるのを知り納得できた。
 ヒメオトギリとの区別は難しいところだが、オシベの数が6個ほどしか確認できなかったこと、根元から分枝していること、葉の円いことなどからコケオトギリと同定した。

〔写真上・右下2006.9.3寄合 右上2006.8.6大野〕


             コケオトギリ

写真2006.9.26 大野

            コケオトギリの紅葉

写真2007.10.18大野

       3本の花柱

写真2007.9.25 大野

         根の様子

写真2007.10.18大野
解 説
オトギリソウ科
 全国各地に分布する小形の一年草。湿地や休耕田、田の畦などに生える。
 根は白く、枝別れして地上部に比してしっかりしている。
 茎は細く4稜形〔四角柱〕で直立しまたは斜めに傾き、倒れて節から根を出して繁茂することもある。〔上・左下写真〕高さは5〜10p。
 葉は対生し円に近い楕円形で黄色がかった緑色、長さ3〜9o。
 緑色であるがしばしば赤みを帯びる〔左上写真〕
 花期は7〜9月。枝の上に直径約5oほどの黄色い花をつける〔下写真〕。包は、ほとんど葉と同形で広く花の近くにある。ガク片は不同形で長さ3o、緑色で5個、花弁は3脈があり黄色で5個、2.5o。雄しべは5〜8個。ヤクは小形。花柱は子房より短く0.5o。子房には3本の花柱がある〔左下写真〕
 さく果は長さ2〜3oで宿存ガクをもつ〔写真準備中〕。
 名前の由来は小さなオトギリソウの意味。



  クズの葉と比較した大きさ

写真2007.10.18大野

    コケオトギリの花

写真2006.9.21 大野

        花後

写真2009.9.1 大野

       さく果

写真2006.9.29 大野