キオン
暮らしとの関わり
 石黒では、6月下旬になると所々に大きな群生が見られる。〔多くの植物図鑑には花期は8~9月とあるが・・〕とくに山腹に多い。大型の山野草なので大群落ともなると花期には見事な景観となる。
 花一つ一つはあまり見栄えはしないが、平たく密集して咲くので上方より見ると迫力がある。
 田植えの頃に咲くため、忙しくて見ている暇もなかったのか、方言の呼び名は伝わっていない。
 草姿は幼苗のころからしっかりした感じをうける。石黒では茎の上部まで紫色を帯びた個体をしばしば見かける。
 ちなみに、キオン属はキク科最大の属で1500–2000種を数えるという。

 写真2005.6.20板畑)


                 花期前

写真2005.519下石黒

          村道脇に咲くのキオン

写真2010.6.17寄合

   コシジシモツケソウの混生して咲くキオンの群生

写真2006.6.18板畑

         キオンの花のつきかた
写真2007.6.23上石黒

           葉のつきかた

写真2006.6.19下石黒

         板畑集落の棚田とキオン


            全体の草姿

写真2009.6.9下石黒

     茎の色の濃紫色の個体〔左〕も見られる
写真2014.6.26落合

                果実期
写真2015.7.3北条

 説
キク科
 北海道から九州までの日当たりのよい山地に多い多年草根茎は短く多数あり、茎は直立して太く高さは50~100㎝。
 葉は互生し細く先端が鋭くとがっていて、縁には不整の鋸歯がある(下写真)。基部はくさび形になっていて短い柄があるかまたは急に細まり半ば茎をだく。葉の両面にはちぢれ毛がある。
 花期は7~8月。花は黄色で、枝分かれした上部の茎に広がって密集してつく。(左下写真)頭花は黄色で径は約2㎝、周辺に一列の舌状花があり、中心には管状花がある。
 また、所によって大群生をなす。花が終わると白い冠毛をもった種子がかたまってつく。別名「ボロギク」は、この冠毛がボロの様に見えることからつけられたという。
 名前の由来は、園芸種の「紫苑」と似ていて花が黄色であることによる。 



        幼苗
写真2009.4.24下石黒

     キオンの根茎

写真2009.6.9下石黒

   キオンの茎の断面

写真2009.6.9下石黒

        冠毛

写真2005.6.2板畑

写真2014.7.2下石黒

     不整の鋸歯

写真2009.6.9下石黒

茎上部まで紫色を帯びた個体
写真2009.6.9下石黒