キカラスウリ | ||
暮らしとの関わり キカラスウリは石黒には自生していないものと思っていた。 しかるに、一昨日(2010.12.1)、板畑の嶽に上る途中で、5つほどの黄色い実をつけたキカラスウリに初めて出会った。いや。再会というべきか、実は2年前に、この木に巻き付いた蔓草に目を引かれ近づいて葉や蔓の様子を観察したのだった。カラスウリではないかと思ったが、石Kには自生していないという思い込みがあり撮影だけしておいた記憶がある。 それを思い出して、先刻からからハードデスク内のデータから検索しているがなかなか出てこない。 余談になるが筆者の、ファイル管理が徹底していなため、30万余の総データから、このかつて未同定として処理したキカラスウリを探し出すに、思わぬ時間がかかった。検索を得意とするコンピータもそれに対応するファイル管理がされていない限り能力を発揮できない。まさに、自分のような仕事をする者にとってファイル管理こそ肝要なことは百も承知しているのだが・・・・。 ※来年は、春から観察を定期的に行ってみたい。 牧野植物図鑑によれば、塊根からデンプンをとり天瓜粉(天花粉−テンカフン)をつくり、根の皮をはいだもの瓜呂根(カロコン)と呼び薬用になるとある。 筆者が子どもの頃にはテンカフと呼んで、母が夏季に赤ん坊のアセモのにガーゼを丸めたものでパタパタとつけていたことを、化粧品のような香料の香りと共に思い出す。 ※本日(2010.12.12)、偶然、探していたファイルを見出した。→下写真。撮影したのは春ではなく9月(2008.9.30)であった。 今年は是非、花を観察し撮影したい。種子も採取してあるので発芽の様子も観察したい。花は、実生から開花までには3年かかるといわれるのでひきつづき板畑の個体を観察したい。(※昨年(2011)、板畑の雌株を撮影に訪れたが自然消滅したのか、絡み上っていたキリの木の持ち主が取り去ったのか影も形もなかった) 今早朝(2012.8.8)、昨日までの猛暑が一転して21℃ほどの爽快な気温のなか畔屋方面に植物撮影に行った。途中の上藤井で白い花が目を引いた。近づいてみるとキカラスウリの雄花であった。初めて見る実物であったが野草としてはやはり美しい花だと思った。→参考写真 写真2010.12.1板畑 キカラスウリの雌花と柱頭 写真2012.8.8 写真 大橋洋子 キカラスウリの雄花と葯 写真2012.8.8上藤井 雄花のつぼみ 写真2012.8.8上藤井 蔓と葉の様子 写真2008.9.30板畑 種子散布後 写真2015.2.12緑町
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解 説 ウリ科 北海道の奥尻島から本州・四国・九州・奄美大島まで分布する。 多年生のつる植物で雌雄異株。地下茎は肥大して塊茎となる。地上部は冬には枯れる。 茎は細く長いつるになり巻きひげがある。幼時には葉と共に褐色の毛があるが成長と共に脱落する。 葉は互生し柄があり葉身は広心臓形で3〜7に浅裂または中裂と変化に富む。葉の表面短毛がありあるが滑らか。 花期は7〜9月。花は夕方から開き裂片の先が伸びきって朝には裂片が縮む。 雄花は葉の付け根につき、長さ総状花序につき、葉状の緑色の包葉がある。雄花には包葉はない。ガク筒の長さは約3cm(下写真)。 果実は広楕円形で長さは7〜10p。色は黄色で柄の長さは3〜5p。 種子は黄色い果肉に包まれていて黒褐色で艶がある。果肉は乾燥すると甘い。 名前の由来はカラスウリの実が赤いのに対して黄色であることによる(下写真)。 キカラスウリの雄花裏 写真2012.8.8上藤井 雄しべ 写真2012.8.8上藤井 雌花の3個の柱頭 写真2014.7.23桑折町 洋子 雌花 写真2012 桑折町 大橋洋子 写真2014.8.1 桑折町大橋洋子 果実 写真2010大橋洋子 成熟果実の中 写真2010.12.1板畑 ※白い糸は 種子の元である胚珠と胎座をつなぐもの道管ではなかろうか? 不明写真2015.2.12緑町 ※カラスウリとの比較画像 カラスウリの花 果実 両者の果実の大きさ比較 写真提供 大橋洋子(福島) |