キバナアキギリ(花の色は紫色である→変種)
暮らしとの関わり
 キバナアキギリは石黒では普通に見られる。
 紅葉の始まる頃に林の中で特に目立つ野草であるが美しいと感じる姿に出会う事は少ない。花がまばらなのと葉が傷んでいるものが多いせいだろう。それに、うす暗いところで見ることが多いことも原因の一つと思われる。
 花の色は紫色だが、分類上は「キバナアキギリ」であると同定した。アキギリとの区別は花の中の毛が決め手となる。石黒に見られるキバナアキギリは「色変わり品」ということになろう。→見分け方参考資料
 
前行の「見分け方参考資料−田辺喜彬氏指導」をもとに自分なりに調べてみた。→紫色のキバナアキギリの同定資料
 
石黒には多く見られる植物であるが、黄色い花のキバナアキギリは見あたらない。しかし、隣の門出地区や鵜川地区に行くと黄花がある。鵜川の折居では両者が混生してる様に先日(2010.9.25)に出会った。
 石黒では紫色と白色の混じった花も多く見られる。(右下写真)また、赤紫の花も見られる(右下写真)。
 できたら今後、石黒を中心としたキバナアキギリの色変わり品の分布状況について調べてみたいと思っている。
 ※アキギリは、新潟県内には糸魚川の県境付近に希に見られる程度でほとんど自生していないといわれる。
 ちなみに、新潟日報掲載「花ものがたり」で県立植物園の久原泰雅さんはキバナアキギリの色変わり品について「遺伝的にはアキギリに近いとの結果も出ている」と記されている。


(写真2005.9.17下石黒)



           桃色の花の個体

撮影2010.10.2 下石黒


  写真2016.9.25下石黒

        キバナアキギリ(黄花)

撮影2009.9.24 鵜川地内

            全体の草姿

撮影2007.5.13下石黒

          分果(未成熟段階)

撮影2010.11.13下石黒

           紡錘形の根


撮影2007.10.13下石黒

解 説
シソ科
 本州から九州の山林の中や林の周りなどに生える多年草
 根は細長い紡錘形で赤紫色〔左下写真〕
 茎は四角形で高さ20〜50p、草全体に立った長い毛がある〔下写真〕。直立するか初めは地を這い後に立ち上がるものもある。
 葉は対生し柄があり上の写真のように先は鋭く尖り基部は心臓型で両端は三角形に突き出して長さ5〜10p。幅4〜7p。縁には鋸歯がある〔左写真〕
 花は9〜10月に茎の先に花穂をつける。小花は花茎のわきに短い柄のある黄色〜濃紫色の唇形花を数段つける〔左写真〕
 花穂の長さは10〜20p。2.5〜3p。花は紫色から白色の混じったものもある。包葉は卵形、ガクは唇形でいずれも立った長毛がある〔上写真〕花冠の長さは2.5〜3.5p上唇は立ち上がり下唇は3裂して前に突き出す。  雄しべは2本、花柱は上唇より長く花冠より飛び出す〔下写真〕
 分果は4個あり、径1.8〜2oほどで成熟すると褐色となる(左下写真未成熟段階)。
 名前の由来は花や葉の形が桐に似ることによる。



     若芽

写真2015.5.16下石黒

  キバナアキギリの若草

撮影2009.4.24下石黒

    草全体にある毛
撮影2009.6.2下石黒

  最も多く見られる色の花
撮影2009.9.17上石黒

    白色の混じった花
撮影2005.9.16下石黒

     桃色に近い花
撮影2010.10.2 下石黒

      赤紫の花

撮影2010.10.2下石黒