カワミドリ | |
暮らしとの関わり カワミドリとは、石黒では最近初めてであった。市街地周辺でも希に見られる植物のひとである。 シソ科の植物で、独特の香りがあるが芳香というほどのものではない。 最初に出会ったのは平井から北条への道路わきの水路の近くであった。すでに花期の終わりであり花は唇片の部分が脱落したものが多かった。 翌年、春を待って何度か訪れたが探し出すことはできなかった。北条寄りの山道のすぐ脇にあったものであり、場所を間違えるはずはなかったのでだが、結局は再会できなかった。 園芸種のように花が美しかったので盗掘されてしまったか、除草剤をかけられたか、そのどちらかだと思っている。昨年も、念のために訪れたが出会うことはできなかった。来年もその場所立ち寄ってみたいと思っている。〔2011年にも見当たらずここに自生していた個体との再会は諦めた〕 今日〔2014.9.14〕久しぶりに大野に植物の撮影に出かけた。白菜・大根の苗を間引く作業を終えてから、大野方面に植物観察にでかけた。そこで、思いもかけない幸運に恵まれた。石黒には自生していないと思ったカワミドリとの出会いである。 山道したの草薮に思いもかけない10株ほど美しい紫色の花を咲かせていた。かつて、平井で出会った個体は翌年は跡形もなくなっていた。それだけに今日の出会いはうれしいことであった。その先の道脇の斜面にもぽつぽつと見られたので石黒では他にまだ自生地があるかも知れない。 今回も葉を手で揉んで香りをためしてみたが、微香程度であった。 10月には再訪して分果を観察したい。 WEB上の情報によれば、カワミドリは東京都では絶滅種、九州・四国では絶滅危惧種に指定されている県が多いようだ。 〔写真2014.9.14大野 右上写真2010.10.11平井 全体の様子 写真2014.9.14大野 葉と花の様子 写真2010.10.11平井 5裂するガク 写真2010.10.11平井 小花のつくり 写真2010.10.11平井 |
解 説 シソ科 北海道から九州に分布。山地に生える多年草。 茎は四角で〔上写真〕直立し、上部で枝分かれする。高さ40〜100pほど。全体に特有の香気がある。 葉は対生し長さ1〜4pの柄があり卵状から心臓形で長さ5〜10p、幅3〜7p。先は鋭く尖り〔左写真〕粗い鋸歯がある。質はやや薄く裏面には微細な白毛がある。 花期は8〜10月。茎や枝の先に長さ5〜15pの花穂をつける(上・左写真)。花穂は小さな唇花を密集してつける。ガクは長さ5〜6o、筒状で5裂し裂片の先は尖る。 小花の長さは8〜10o。上唇はやや立ち上がり先は浅く凹む。下唇は3裂して真ん中の裂片は大きくて鋸歯がある。雄しべ4個のうち2個は長く外に長く出ている(左写真)。 分果は長さ1.8o、扁3稜状の倒卵形。 名前の由来は不明。 葉裏の白毛 写真2010.10.11平井 茎 写真2010.10.11平井 吸蜜するヒョウモン蝶 写真2014.9.14大野 葉の表裏 写真2014.9.14大野
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