カラスビシャク
暮らしとの関わり
 石黒ではカラスビシャクのことを「カラスノテッポウ」と呼んだ。
 昔は、畑で、地下地上の両方から盛んに繁殖するため、「取っても取っても生(お)えてくる」と言われ嫌われた草であった。
 しかし、子どもたちには花の変った形が面白くて親しみのある草であった。
 草の花茎部分を分解して遊んだ記憶がある。また、引き抜くと下記の写真のような小さな球根が見られたことも憶えている。
 今日(2017.9.9)に石黒の生家の元土蔵があった場所の平板の敷石の際にカラスビシャクが生えていた。
 近くでよく見ると、幼苗らしいものも生えていたが、その葉の形の多様さに驚いた。この次に行ったときにはもう少し詳しく観察してみたい。→参考資料

写真2013.6.2 野田  背景 旧野田小学校


            全体の草姿
    写真2005.6.18 落合

カラスビシャクの球根
写真2005.6.18 落合

        雄花と雌花(縦切断面)

写真2010.6.18 下石黒

                 群生

写真2016.5.25板畑 嶽


解 説
サトイモカ科
 全国の畑に生える多年草
 地下には径1p内外の球茎がある〔左下写真〕
 葉は地下の球茎から1〜2枚出る、葉の長さは10〜20p。長い柄と3枚の小葉からできている〔左上写真〕。葉柄の下部にムカゴがつくことが多い。
 花期は5〜8月。花茎は20〜40pで葉よりも高く出る。仏炎包は緑色また紫色で長さ5〜7p。舷部〔げんぶ−旗弁が立ち上がって幅の広くなっている部分〕はやや円筒、内面には細毛があり外面は無毛。雌花群は花軸の片側に蜜につく。雄花群は花軸が仏炎包より離れた部分に密につく。付属体は長さ6〜10p。ほぼ直立し無毛。
 液果は緑色で小形。
 球根は栗に似て一部がへこんでいるため「ヘソクリ」という別名もある。漢方薬としてこの球根が、半夏(ハンゲ)と呼ばれて利用されるという。
 名前の由来は仏えん包の形を柄杓に見立てたもの。小さいためにカラスが付いたものと言われる。



        仏炎苞
写真2010.6.18 下石黒

  茎についたムカゴ

写真2010.6.18 下石黒


 様々な葉の形が見られるが・・・
写真2017.9.9下石黒