カキツバタ
 石黒では植栽のものをごく稀に見かける。市街地周辺では時々みかけるが、カキツバタと確認の上見たのはすべて植栽のものである。だいたい、現在、野生のカキツバタなどほとんどの地方で見ることはできないのではないだろうか。
 ここ数年、毎年のように見るのは、軽井川の夢の森公園に植えられたカキツバタの群生である。 「いづれがアヤメ科かカキツバタ」の言葉があるが、その見分け方を知ったのも、5、6年前のことだ。
同定のポイントは、
〇ガク片の中央に白い線があり網目模様はない。
〇葉は幅広く中脈がほとんど目立たない。
〇アヤメに比べて花弁〔外花被片〕も茎も細い。
などがあげられる。

写真2013.5.31軽井川夢の森公園


                花のつくり
写真2013.5.31軽井川

              葉の様子
写真2013.5.31軽井川夢の森公園

              群生(植栽)
写真2013.5.31軽井川夢の森公園


解 説
アヤメ科
 北海道から九州に分布。水湿地に生える多年草
 根茎は分枝して多く繊維に覆われる。
 茎は円柱形で直立して緑色。基部に2列に扇状に葉をつける。
 葉は幅広で基部は鞘となって茎をい、長さ30〜70p。幅2〜3p。隆起した中脈は目だたない(アヤメ、ハナショウブとの区別点)。
 花期は5〜6月。高さ40〜70pの花茎を伸ばし、先端に3花が開く。花は青紫色で径12p内外、外花被片の先部は楕円形に垂れ、長さは5〜7p。中央から爪部は白色から淡黄色。内花被片倒披針形、長さは6pほどで直立する。花柱分枝の先は2裂し、楕円形で全縁
は白色。
 さく果は長楕円形で長さ4〜5p。
 名前の由来は「書きつけ花」の転訛で昔、この花の汁をこすりつけて染める行事があったことによるとのこと。



    雄しべと雌しべ

写真2016.5.11軽井川