カキドオシ
暮らしとの関わり
 カキドオシに対しては、雑草の代表のようなイメージを持っている人も少なくないだろう。
 筆者が子供の頃、お盆前の草取りは子供の仕事であった。その時の、家の周りの草取りを思い出すとき、一種独特な香りと共にカキドウシを連想する。
 カキドオシは、花期を過ぎると茎が倒れて節から根を出して我が物顔で繁茂する嫌われ者の草であった。→小群生
 だが、早春、立ち上がったばかりの頃のカキドオシは花も姿も可憐で美しい。まるで別の草のような品の良さが感じられることを野草の写真撮影をするようになって初めて知った。→参考写真

(写真上 2005.5.12 落合 )


            カキドオシ

撮影2007.5.17下石黒

            葉の様子

写真2010.6.5 下石黒

         ツルを伸ばす様子

写真2010.6.5 下石黒

           花拡大

写真2005.5.18 下石黒

  花と長さの異なる雄しべ


写真2005.5.18 下石黒


解 説
シソ科
 日本全土の道端など、どこにでも見られるツル性多年草。全体に細い毛があり(上写真)香気がある。
 茎は細く四角形で〔下写真〕、春に花の咲く頃には立つが花が終わると倒れて節から根を出して蔓になって這い蔓延する。〔下写真〕
 葉は対生し長さ1.5〜2.5p、幅2〜3p。葉の先は丸く基部は心臓形で縁には鈍い鋸歯がある。
 花期は4〜6月、葉の脇に2pほどの花を1〜3個つける。ガクは長さ7〜9o。深く5裂し先は鋭くとがる(下写真)花冠は長さ15〜25o、上唇の先は浅く凹み、下唇は上唇の約2倍の長さで内面には赤紫色の斑点がある〔上写真〕。雄しべ4個のうち2個は長い(左写真)
 分果は楕円形でやや扁平で長さ約1.8oで腺点がある。
 名前の由来は垣根を通して隣まで行くほど茎が伸びが旺盛なことによる。



     葉の脇につく花
写真2009.4.27 寄合

  倒れた茎の節から出た根


写真2007.10.4 下石黒

      四角な茎

写真2009.5.19 寄合

        ガク

写真2005.5.18 下石黒

 花によくアリを見かけるが・・・
写真2005.6.8 下石黒