イヌビユ
暮らしとの関わり
 イヌビユは、昔も今も畑の強害草のひとつである。
 上の写真は、石黒の筆者の里芋畑に生えていたものである。イヌビエが生えると他の草はあまり生えないほどの勢いがある。
 畑の土が柔らかな時は引き抜きやすいが、夏など土が乾いて固くなると茎が折れてしまい除去することが難しい。
 その上の1株がつける種子の数は1万個以上で、発芽から1ヶ月で結実するというから厄介な雑草である。
 また、土の中での種子の寿命は4〜5年といわれることから畑の土の中で発芽のチャンスを待っている種の数は半端なものではないことが分かる。
 若芽は食用になると言われるが、昔から石黒では食べる習慣はない。

〔写真2006.9.2下石黒〕


        サトイモ畑に生えたイヌビユ
写真2013.9.3下石黒


    赤味を帯びた茎と花のつきかた

写真2006.9.2下石黒

解 説
ヒユ科
 日本全国の畑地に見られる一年草。江戸時代にヨーロッパより帰化。
 茎の高さは約30pでしばしば赤紫色を帯び無毛で柔らかい〔左下写真〕。根本からよく枝分かれして伸びる。
 葉は長さ、1〜5p、互生し長い柄があり葉の先端がへこむ〔写真右上〕
 花期は7〜8月で緑色の目立たない花で茎の先や葉の付け根に長さ2〜8pの穂となってつく。
 花の直径は1.5oほど。包は卵形で先は尖り膜質。ガク片よりも短い。ガク片は3個あって長さ1.5pほど。雄しべは3個、雌しべは1個。
 果実〔胞果〕は宿存ガクよりも長く下半分にしわがあり中に球形の種子が1個入っている。
 名前の由来は「役に立たないヒユ」の意味



        幼苗

写真2006.6.2下石黒

         花

写真2006.9.2下石黒