イノデモドキ

暮らしとの関わり
 石黒では、杉林などで普通にみられる。常緑性で晩秋には特に目立つ。大型で整った形で、かつ葉の表面に艶があるために目につきやすい。晩秋にはリョウメンシダと混生していることが多い。
 類似種のイノデかと迷ったが、胞子嚢群の位置と基部鱗片形からイノデモドキと同定した。ご指導を仰ぎたい。

写真2011.11.26下石黒


       葉柄基部の披針形の鱗片

写真2011.11.26下石黒

          中軸の鱗片

写真2011.11.26下石黒

解 説
オシダ科
 本州から九州に分布。山地の半日蔭または日蔭地のやや湿った場所に生える。
 根茎は塊状で、葉が7〜13枚ほど漏斗状になって出る。葉の高さは40〜80p。柄や軸には褐色やや幅の広い鱗片が多数つく。羽軸にも細い鱗片がつく(下写真)。葉身の表面には艶があり2回羽状
 下部の羽片は下向きにつくため葉全体の形は下部が狭くなる(左上写真)小羽片は接近して出て形は長三角状で縁には尖った歯がある。
 胞子嚢群は小羽片の縁寄りにつき小さな円形の包膜をもつ(下写真)。胞子嚢が少ない時には小羽片の基部に1個つくという特徴がある。
 名前の由来は葉の柄などにつく鱗片の様子をイノシシの手にたとえたイノデによく似ることによる。

       小羽片裏の毛

写真2011.11.26下石黒