フッキソウ

暮らしとの関わり
 石黒では未だ出会わないが、市街地周辺の山では希に出会う。
 最初に出会ったのは1978年に細越地区の城山であった。珍しい草であったので石黒の庭に移植したところ現在で庭の一部をおおうほどの勢いである。
 常緑性矮小低木であることを知ったのは、このページを制作した時であった。確かに、全草が木本より草本に近い感じだが、茎や地下茎が見かけによらず強靭なところは、「やはり」という気もしないでもない。
 しかし、筆者は石黒の庭草のフッキソウとは30年近く付き合った間柄であるが、今まで草として対してきたし、これからも同様であろうから、「石黒の植物」では草編に掲載した。
 変わった形の真珠色の果実が稀につくとのことであるが未だ出会わない。続けて観察していきたい。それにしても、生家の庭では何千もの花が咲くのに果実を見たことはないことから余ほど結実が稀なのであろう。
 ちなみに、果実は甘く食べられるとのこと、今年は念入りに探してみたい。※一昨年から果実を見たくて観察しているが未だ出会わない。図鑑によるツルアリドオシ果実のように2個の花柱が残るそうだが、今後も留意していきたい。

写真2009.4.9 畔屋


           野生のフッキソウ

写真2009.4.9 畔屋

写真2012.4.19 畔屋

     つぼみをつけたフッキソウ(移植)

写真2006.4.2 下石黒

               群生
写真2011.9.24下石黒

            初冬のころ

写真2015.11.26下石黒

解 説
ツゲ科
 北海道、本州、四国の山地の林内に生える常緑の草木状の矮小低木雌雄同株
 地下茎を横に長く伸ばしてまばらにヒゲ根を出す。
 茎は根茎から出て立ち上がり高さ20〜30pほどで緑色。
 葉は互生し柄があり茎に密につく。形は卵状楕円形で下部はくさび形、上半分は粗い鋸歯がある(左上写真)。葉質はあつく表面には濃緑色で下面は淡緑色。
 花期は3〜5月。茎の先に穂状の花をつける。時には分枝する。雄花は花序の上部に密につき雌花は株にまばらにつく(上写真)
 花は4個のガク片で花弁はない。雄花には4本の雄しべがあり花糸は白くて大きい。ヤクは褐色。雌花には2つの花柱をもった子房がある。
 果実はさく果
 名前の由来は常緑の葉と繁茂することから富貴草の意味。別名吉祥草ともいう。



        つぼみ
写真2011.4.24 畔屋

       開花へ
写真2007.6.12 下石黒

      雄花と雌花
写真2012.5.19 畔屋