ホウキギク
暮らしとの関わり
 石黒では未だ確認していない。掲載の個体は市街地周辺の休耕田で撮った。
 初めて出会った時には、枝らしい枝も出さず葉らしい葉もつけずにただ細く高く直立する植物。周りの植物に比べて、なんて内気な草なのだろう思った。しかし、根の状態を観察しようと引き抜こうと思ったが強固な根に驚いた。地上部に似合わず地下茎はしっかりしているようだ。
 その後、この個体を2、3度にわたり継続観察したが花のツボミも見ないうちに刈り取られてしまった。
 ここ数年、名前の分からない野草のとして
気にかけ、名前を図鑑等で調べたがわからずじまいになっていたが、今年(2012)は春の内に一株を家で植木鉢で栽培して観察をした。
 一昨日、WVE上で指導をうけた結果、ホウキギクかヒロハホウキギクであることが分かった。ヒロハであるかどうかは頭花を見てから判断したいと思い、ひとまずホウキギクで掲載した。(※開花したので花の径を図ると4mmほどでホウキギクと同定できた-2012.9.22)
 長く茎を伸ばし上部で細かく枝分れする草姿をみると、ホウキ(箒)ギクという名前が納得できる。まさに、実際に十数本刈り取って茎の部分を束ねれば見た目は立派な箒となろう。

写真2008.7.20 田塚


           全体の姿(90度回転)

写真2012.107.4 松美町(観察栽培)

  細かく枝わけした先端にに頭花をつけた様子

写真2012.9.22松美町(観察栽培)


解 説
キク科
 日本全国の荒地や草原に生える越年草。明治の末ごろに大阪に渡来した北アメリカ原産の帰化植物
 茎は円柱形(上写真)で直立して50〜150cmで分枝するが長い枝とならず花枝のみ横に広がって伸びる。基部はしばしば赤味を帯びる(左下写真)。質は強剛。
 葉は光沢のある線形また狭い披針形互生する(左下写真)。幅は基部から先端近くまでほぼ同じく5〜10mm。長さ4〜10cmほど。
 花期は8〜10月。上部の枝先に径1cm近い頭花をつける。管状花の周りの舌状花は淡紫白色で細く小さく目立たない。
 そう果は毛があり長さ2mm、冠毛は淡紅色で長さ5〜6mm。総苞は狭楕円形で総苞片鱗状に重なる。
 名前の由来は茎先が細かく分かれる様子をホウキに見立てたもの。



      花冠

写真2012.9.22松美町(観察栽培)

     果実穂(左)

写真2012.10.4松美町(観察栽培

  長い冠毛を持った種子

写真2012.10.4松美町(観察栽培)