ホクリクネコノメソウ | |
暮らしとの関わり 石黒では、まれに見かける野草の一つである。 自生している場所は沢などの湿ったところに限られる。 上の写真は板畑の嶽の沢辺で撮ったものである。マンゾウ川上流でも見られる。集落内では元役場下の石黒川の排水の流れ落ちる絶壁に自生しいる。落合集落の墓場に通じる小道の沢沿いにもある。春、葉の黄色が黄金色と言いたいほど鮮やかで目を引く。 名前の由来は実の先に一本の線があり瞳を閉じた猫の目に似ていることによると言われている。しかし、上右下写真の蕾の状態も猫の目そっくりである。 沢沿いの残雪のうす暗い洞窟の中で射し込む陽に黄金色に輝く様は感動的な美しさである。 →参考画像 (上写真2005.5.3板畑) 雪解けとともに開花する(ウワバミソウとともに) 写真2005.5.3板畑 ホクリクネコノメソウの群生 写真2009.4.28板畑 走出枝葉と葉柄の様子 写真2007.5.18寄合 花のつくり 写真2009.4.28板畑 根生葉・走出枝・花柄の葉 写真2008.5.9上石黒 アズマシロカネソウやウワバミソウなどと共に 写真2011.5.8落合 |
解 説 ユキノシタ科 本州〜島根県の日本海沿岸地方の沢沿いの陰湿地に自生する多年草。高さ20pほど。 多雪地帯では雪解けが早い沢辺に群生する黄金色の包は人の目を引く。 根茎は横にはい花茎は立ち上がり、無葉か一対の葉を対生する。高さは10p前後。走出枝は花後に伸びて先端に2〜3対の葉をつける〔左写真〕。 葉は、表面が緑色で顕著に脈が見え〔下写真〕卵円形、または円形で無柄または短柄があり長さ幅さもに2〜3p。基部は急に狭まり葉柄となる〔左写真〕。縁には6〜10対の内曲した鈍鋸歯がある〔下写真〕。下部の包は葉と同形で、上部は広楕円形で鮮黄色。 根生葉は開花時には未だ存在する。 花期は4〜5月。花の下には卵円形の葉状の上部が鮮黄色の包葉がある。 花はやや多数つき、ガク裂片は淡褐色で、直立し楕円形または円形。長さ1.5〜2o。雄しべは8個、長さ2.5〜3oでガク裂片より長く直立する〔左写真〕。裂開直前のヤクは暗紅色で後に黒紫色となる。 子房は中位、花柱は直立して長さ1〜1.7o〔左写真〕。 さく果は斜開し2個の心皮は大きさ不同。種子は広楕円形で、長さ0.8〜0.9o。十数個の長さ約0.5oのこん棒状.の突起が密に並ぶ〔写真準備中〕。 名前は果実に縦に裂け目が出来るのでネコの瞳に見立てたものという。上の写真の種は、新潟県から山陰地方の日本海沿岸地方に分布していることからホクリクネコノメソウとかエチゴネコノメソウとも呼ばれる。 水辺を好む 写真2013.4.14畔屋 果実(さく果) 写真2009.4.29上石黒 葉の脈 写真2007.5.17板畑 全体の姿 写真2008.5.9上石黒 |