ヒメワラビ
暮らしとの関わり
 石黒では、まれに見られる植物の一つである。一見、大きさも形もワラビに似ているが葉の裂け目が細かく繊細な感じをうける。
 今のところ、寄合以外の集落地内では出会ったことはない。
2009年には居谷地内でも確認した。とはいえ、よく似たイワヒメワラビ、ミドリヒメワラビとの区別に自信がないので、今年は現地でよく再確認をしてみたい。
 それにしても、大型でなかなか美しいシダである。

上写真2007.10.22寄合 右上2009.10.23釜坂


              小群生

写真2007.10.22 寄合 中の坪ダム上流付近

            シダの仲間と共に

 
写真2009.5.17 居谷

              秋の頃の様子

写真2009.10.25釜坂


      
解 説
オシダ科
 宮城県以南の山地や林の縁、または開けた場所などの湿った地上、崖などに普通に生える落葉性多年草
 根茎は短くはい、葉は互いに接しあって出る。
 葉は大型で80~150㎝。葉柄は葉身よりもやや短く、粗大で淡緑色で光沢がある。葉の基部にまれに少数の褐色で細長い卵形鱗片をつける。
 葉形は三角状で3回羽状複葉〔左写真〕で質はやわらかい。全面に細毛がある。羽片は数対あって長楕円状皮針形、先は長くとがり下部のものには短い柄がある。上部のものは無柄〔左写真〕
 小羽片は多数接近してつき線状皮針形で先がとがり無柄で基部は羽片の中軸に流れて合着する〔上写真〕。さらに羽状に浅~深裂し裂片は楕円形で鈍頭、鋸歯があり葉脈は裂片の縁には達しない〔上写真〕
 胞子嚢群中脈と縁の中間につき毛のある小さな腎形包膜を持つ〔上写真〕
 名前の由来はワラビに似ているが葉が細かく分かれ薄く弱々しい感じがすることによる。



        胞子嚢

写真2007.10.17 居谷