ハナトラノオ(植栽)
暮らしとの関わり 
 石黒では昔から、つほどこ(花壇)ではなく、屋敷内の空き地のようなところに植えておく家が多かった。地下茎でよく増え、強健な植物であり半ば雑草の中でも他を制して、よく育ち花を咲かせたからであろう。
 また、草姿そのものが直立し枝分かれが少ないため、繁茂してもすっきりとした姿をしていたこともこの植物の好まれた理由の一つであろう。
 花言葉は「達成」「望みの成就」とのことだが、ひたすらまっすくに伸びて花を咲かす姿から容易に納得できる。
 開花前も開花期後も、それなりにバランスのとれた草姿である。
 反面、見方によっては、艶やかさに欠ける花であると言う人もあろう。
 ようやく、今夏の危険な猛暑も終わったようなので、明日(2018.8.31)ふるさと石黒に大根畑づくりに行く予定だ。生家の上り口の畑の端に20年来、たくましく生き続けているハナトラノオに久しぶりに会うのが楽しみだ。

写真2007.8.2 下石黒


                 花期
写真 2018.9.6 寄合



解 説
シソ科
 北米原産。大正時代に園芸植物として渡来。宿根草
地下茎で増え、性質は強く放置しておいても雑草に容易には負けず半野生化した姿も見られる。
 茎は地下茎から直立して高さは50〜100pほど。断面は四角形で余り分岐しない。
 葉は無柄で対生し、披針形、または長楕円形、やや厚みがあり縁には鋸歯がある。
 花期は8〜9月。茎の先端部に長さ20pほどの花穂をつける。包葉は披針形で十字状に並びガクは鐘型で5裂して先端は尖る。花冠の長さは2〜3p。上唇は外側に膨らみ下唇は3裂し中央の裂片は少し幅が広い。内側には紫紅色の小さな斑点がある。雄しべは4個、雌しべ1個、
 花後、ガクが膨らんで分果で、4ブロックの果実となる。
 名前の由来は、「花トラノオ」で花の美しいトラノオという意味であろう。
 別名-カクトラノオ。



      つぼみの頃

写真2018.8.31下石黒