ハナニラ(逸出植物)
暮らしとのかかわり
 数年前に松浜海岸近くの草地で初めて見たときには、スカイブルーの花の色に目を引かれた。早速撮影して家で調べてみると園芸種であることを知り残念な気がしたことを憶えている。
 その後、田塚地内のバイパス予定地で再び出会って、逸出して帰化しつつある植物ではないかと思った。その折に球根を堀あげて2、3個庭に移植したものが年々増えている様を見てその旺盛な繁殖力に驚いている。
 WEB上でしらべると関東以西では、帰化状態にあるとのことであったが、柏崎でもこのように一部に逸出しているハナニラがみられることは、温暖化の影響であろうかなどと思ったりしている。
 今年(2014)は球根を石黒に植えて自然越冬ができるかどうか観察してみたいと思う。

写真2011.4.21 松波町


                 花

写真2011.4.21 松波町

                 花期
写真2011.4.21 松波町

            庭に移植したもの

写真2014.4.23松美町


解 説
ユリ科
 アルゼンチン原産の球根植物で観賞用として栽植される。
 鱗茎は卵形で径は1〜2p。葉は線形で数枚ほぼ向かい合って束生する 。葉の主脈は下面に凸出する(下写真)
 花期は3〜4月。葉の間から高さ10〜20pの花茎を伸ばし1個の花をつける。茎上部には一対の包葉がある。包葉は膜質で長さ2pほどで基部は癒着して筒状となる。
 花は上を向いて咲き直径3pほど、下部は癒着して花筒となり、暗紫色の脈が6本ある。花被片は6個。白味に僅かに紫色を帯び楕円形で先は少し尖り、中脈が明確である。
 雄しべは6個で2段に並び、雌しべは1個。傷つけるとニラに似た匂を発する。
 名前の由来は花を見る観賞用のニラの意味。したがって、食用には不適あるいは毒。



  下面に凸出する葉の主脈

写真2014.4.23松美町

   下部が筒状の包葉
写真2014.4.23松美町

     2段状の雄しべ
写真2014.4.23松美町