ハマワスレナグサ | |
暮らしとの関わり 石黒には自生しない。 先日、田塚の放棄田の縁で出会った。小型の野草で見過ごしてしまいがちの野草である。 しかし、目を近づけてみると一つの花穂に黄色や青色、水色の花が見られる。その何れも淡く絶妙な色合いである。 名前の由来は、昔、一人の騎士がドナウ川の岸辺に咲くこの花を恋人に捧げるために摘んでいて足を滑らせ雪解けで増水した川に転落して流された。 騎士は最後の力を尽くして摘んだ花を恋人のいる岸に投げ、「私を忘れないで!」という言葉を残して水死した。残された恋人は騎士の墓にその花を供え、彼の最期の言葉を花の名にしたという、原産地に伝わる伝説によるとされる。 写真2011.5.8 田塚 草全体の姿 写真2011.5.21田塚 群 生 写真2011.5.8田塚 |
解 説 ムラサキ科 ヨーロッパ原産の帰化植物。全体が小形の1〜2年草。湿地を好んで生える。 茎は細く、基部で分枝するが上部では少ない。高さは5〜25p。 葉は茎の下部に多いが根生葉はない。茎や葉には毛が密生する(下写真)。 花期は5〜6月。花冠はキュウリグサなどと同様で巻いた状態だが、本種は花が咲いてから解けていく(左上写真)。 また、花は初め薄黄色から白色に変わり、更に水色に変わり、その後に群青色になるという珍しい特徴がある(上写真)。 花冠は5裂しそれぞれが楕円形の副花冠をもつ。 果実は4個の分果。 茎と葉に密生する毛 写真2011.5.21田塚 スギナの茎との大きさ比較 写真2011.5.21田塚 |