ビロードモウズイカ

暮らしとの関わり
 石黒には自生しない。柏崎市街地の道路脇や海岸に生えていて、その壮大な姿が目をひく。
 筆者は、庭に植えられているものを見たことはないが、明治初期に観賞用に導入されたとのことである。
 花は早朝に咲いて昼過ぎには閉じてしまう(筆者の観察では)ので開いた花をじっくりと見たことのない人も多いのではなかろうか。
 ビロードモウズイカの魅力は、花の美しさより、その巨大でエキゾチックな姿ではなかろうか。
 昨年(2015)の春に自宅の玄関先に、2本のビロードモウズイカが芽を出した。種を蒔いた覚えはないが前年の秋に、種子の観察のために果実を持ち帰った記憶があるので、おそらくその時の種が発芽したものであろう。その後、成長を見守ったが下写真のように庭にあっても、その草姿がなかなか見栄えのする植物である。(下写真)
 しかし、花期が過ぎて秋風に吹きまくられて形が崩れると大きいだけに無様である。筆者の経験ではなるべく肥料気のない所で育てるか、花穂を切り詰めてあまり背を高くしないように育てるのがよいのではないかと思う。
 昨年(2017)、幼苗を石黒の山小屋の上り口の道端に移植した。多雪地で越年できるかどうか危ぶんだが大半が無事に越冬した。全体(シュート)を覆う星状毛により寒さから身を守ることが出来たのかもしれない。今年の秋には種子を蒔き観察したい。
 今日(2018.7.8)に石黒を訪れると1m20pほどに成長していた。既に花期が終わりに近く果実期に入っていた。
 お盆の最中(2019.8.14)に日本列島に大型台風10号が接近しフェーン現象による猛烈な暑さとなった。柏崎市では36,8度であったが、上越市では40,3度に達したことをニュースで報じている。
 朝、庭の植物に水やりしていてビロードモウズイカの葉が虫に食われているのに気づき調べてみると体長2p足らずのオンブバッタの様だ。→下写真
 今日(2019.11.3)、自宅のすぐ近くの道路端に1mほどのビロウドモウズイカが開花し始めているのを見かけた。植物図鑑では花期は6〜7月とされているので珍しいと思った。
→右下写真

写真2012.5.23裏浜


          市街地の歩道脇の個体

写真2014.5.11柏崎市街地

       太く短い花柄

写真2010.6.29裏浜

      披針形の包葉と釣り鐘状のガク
写真2018.6.14 松美町

                群生

写真2012.5.23市街地裏浜


写真2015.6.7松美町

            花 期

写真2015.6.7松美町

   次第に細くなって茎に合着する葉の基部
写真2015.6.7松美町

       ビロードモウズイカの葉を食べる昆虫
写真2019.8.14松美町
解 説
ゴマノハグサ科
 ヨーロッパ原産の帰化植物で都会などの荒れ地や道ばたに生える越年草
 茎は直立して高さ1〜1.5mほどで全体が星状毛で覆われている〔写真〕
 葉は互生し長楕円形で長さ15〜35pほどで先は鋭く尖り下部は次第に狭まって葉柄になる。
 花期は6〜7月。越冬したロゼット状の葉の間から茎を伸ばしその先に円柱状の総状花序をつけ密に花をつける。
 花柄は太く短い。包葉被針形、ガクは釣鐘形で深く5裂し裂片の先は尖る。花冠は黄色で径1.5〜2p。深く5裂して裂片は広楕円形で外面に星状毛がある〔左写真〕。  
 雄しべは5個、上方の3個は短く〔右上写真〕花糸にも毛が密生する。は2室が合着して扇状となり上部の縁が裂けて種子を散布する。
 さく果は卵状球形で長さ約1p、毛が密生する。
 名前の由来はビロード毛蕊花〔もうずいか〕で全体がビロードのような毛で覆われ雄しべにも毛があることによる。



    根の様子

写真2015.6.7松美町

     大きな葉

写真2015.6.7松美町

   低く鈍い葉の鋸歯

写真2015.6.7松美町

   朝方開花する花

写真2015.6.8松美町

     吸蜜に訪れた蜂
写真2018.6.14松美町

    花糸の毛
写真2015.6.7松美町

   歩道に生えた個体

写真2009.7.13三和町

     冬の様子
写真2013.2.2裏浜

   225pに達した個体

写真 2018.6.9松美町 その後6.27日には250pに、7月23日には275pに達していた。

  石黒山小屋上り口の個体

写真2018.7.8 下石黒

  珍しい11月の開花

写真 2019.11.3 松美町