ベニシダ

暮らしとの関わり
 石黒では普通に見られる。とくに葉が紫赤色を帯びる頃に目をひく。成長とともに赤みが葉の縁に向けて放出されていくような変化に味わい深いものが感じられる。
 シダ類では特にベニシダ類の同定が難しいといわれているが、本種についても今後、同定の鍵となる羽片について詳しく観察したい。
 昨日(2015.12.20)午後、快晴となったので畔屋から平井の山を歩いた。主な目的は常緑シダの撮影であった。17日の雪が所々に残っている雑木林の中で整った形のシダに出会ったが、帰宅後調べてベニシダと同定した。やはり、羽片の形などに少し疑問もあるが、胞子嚢のつき方、基部の鱗片などからほぼ間違いないと思っている。詳しい方の御指導を仰ぎたい。

写真2007.5.16下石黒


          紫赤色を帯びた若葉

写真2007.5.16下石黒

          紫赤色を帯びた若葉A

写真2011.5.25 上石黒

               冬の様子


写真2015.12.20平井

                 葉の形
写真2015.12.20平井


解 説
オシダ科
 本州から九州までの林床に生える多年草
 根茎は塊状となり葉が集まって出る。葉の長さは30〜70p。
 柄は黄褐色で艶があり堅く多くの鱗片を元のほうにもつ。
 葉身は長い卵形で先端は鋭く尖り、表面には鈍い艶がある。2回羽状に分かれ、羽片は軸に近い元の方が狭く、中程が広く小さな鋸歯がある。
 胞子嚢群は小羽片の中肋に沿ってつき丸い腎臓形。
 春に出る若葉は紫赤色を帯び、胞子嚢群も赤色を帯びる。名前の由来はこのことによる。



    ぜんまい状の芽
写真2012.5.15大野

        若芽

写真2007.5.26大野

       胞子嚢

写真2015.12.20平井

   葉柄基部の鱗片

写真2015.12.20平井