アレチウリ | |
暮らしとの関わり 今朝(2012.9.2)、朝早く松波海岸から荒浜海岸へ撮影に出かけた。鯖石川河口から海上の空を眺めると有明の月がくっきりと浮かんでいた。→写真 荒浜海岸に着くと、テトラポット付近のカヤに巻き付いているアレチウリがまず目をひいた。石黒に多いミヤマアレチウリより一回り大形であるが、アレチウリであることを直感した。 カヤに巻き付いたアレチウリのツルの先端は空をつかむがごとく空に向けて長いひげを伸ばしていた。そのはるか先方に先刻見た有明の月が微かに認められた。→写真 家に帰って調べてみるとアレチウリは、一株に4〜5千個の種子をつけるといわれるが2万5千個余の調査データもあるとのこと。その超旺盛な繁殖力は、生態系への悪影響が懸念され2006年に「特定外来植物」に指定されているとのこと。つるの長さが10mに達するとクズのように樹木への被害も予想されよう。 しかし、柏崎市街地では、筆者は未だ他の場所で出会ったことはない。この植物が繁茂して覆うと他の植物の生育を著しく阻害する。ひいては、覆われた下の植物に依存する昆虫などの生態系にも連鎖的な被害を与えることは明らかである。 昨日(2012.9.17)、荒浜地内で水路の周りに自生するアレチウリを2カ所見た。やはり、柏崎市内もアレチウリは着々と分布を広げつつあるのであろう。 写真2012.9.2 荒浜 右上の下 洋子 繁茂した様子 写真2015.8.29鯖石川河口付近 葉柄の付け根から伸びた長い花柄 写真2012.9.2 荒浜 合着した雄しべ 写真2012.8.6 荒浜 果実 写真2012.9.8 撮影洋子 果実と果肉及び種子の様子 写真2012.9.8 撮影洋子 成熟前の果実と種子と成熟後の果実と種子 写真2012.12 撮影洋子 水路の土手に繁茂するアレチウリ 写真2012.9.17荒浜 |
解 説 ウリ科 北アメリカ原産の帰化植物で 1952年に静岡県清水港で大豆の種に混入して渡来したといわれる。現在では各地に広がった一年生つる植物。雌雄同株。 他の植物に絡みついて伸び、10mにも達するものもある。 葉は互生し、柄をもち葉身は丸みのある五画形で浅く5裂する(下写真)。裂片の先は尖る。巻きひげは途中で2〜3又に分かれる。 花期は8〜9月。葉柄から長い柄のある花序を出して、雄花序は散房状の、雌花序は頭状(球状)花をつける(上写真)。 雄花の直径は1cmほどで、5個の黄白色で基部で合着する花弁がある。雄しべは合着し頭状となる。 雌花は球状につき(上写真)1室の子房をもち、下位子房で1個の胚珠がぶら下がってついている(下写真)。柱頭は3個。 果実は5〜8個ほどが集まって集合果となる(左下写真)。個々の果実は長卵形の液果で表面には白い軟毛と黄白色の長く柔らかなトゲが密生する(左下写真)。 種子は果肉に包まれていて偏平な卵形〜長卵形で長さ1pほど。 名前の由来は荒地瓜で荒地に生えることによる。 浅く5裂する葉 写真2012.9.2 荒浜 開花前で下位子房がよくわかる 写真2012.9.8 撮影洋子 雌花の3個の頭柱 写真2012.9.8 撮影洋子 |