アレチヌスビトハギ

 私は、野草の撮影のため、ふるさと石黒地内を2000年から10年ほどかけて、くまなく歩いたつもりであるがアレチヌスビトハギを見かけたことはなかった。だが先日、市街地周辺のバイパス造成地で初めて出会った。
 WEB上で調べて見ると、本種は帰化植物で、日本で最初に発見されたのは1940年(昭和15年)で、場所は大阪府であるとのこと。筆者が1938年生まれで84歳であるから、アレチヌスビトハギは比較的近年に発見された植物であることが分かる。そのため、今でも柏崎市では広く分布していないのかも知れない。
 ちなみに、手持ちの「牧野新日本植物図鑑−1989」や「平凡社日本の野生植物−1981」には掲載されていない。その他「柏崎の植物−1981年」にもその名は見当たらない。
 また、アレチヌスビトハギについて調べると「1年草」との記載も見受けられるが、寒冷地では冬に枯死するのであろうか。
 本頁に記載の個体について来春まで継続観察してみたい。

 写真2022.9.12  右上の果実 2022.9.13 新田畑


             若い個体−1

   写真 2022.5.10 新田畑

          若い個体−2


写真 2023.5.20 新田畑


             つぼみの頃の花序

 写真 2022.9.10 新田畑

            開花期の様子

 写真 2022.9.10新田畑


           花から果実へ
 写真 2022.9.12新田畑

               果実期-1

写真 2022.9.20新田畑

            果実期-2

写真 2022.9.24 新田畑

          紅葉する葉

写真 2022.9.24 新田畑

解 説
マメ科
 北米原産の帰化植物。多年草。(※一年草と表示される資料も多いが、北海道でも多年草とされていることから、筆者は多年草としての分類が妥当であると思う)
 高さは50〜100pになる。荒地や造成地などに多く見られる。太い地下茎をもつ。
 葉は三小葉からなり小葉は狭楕円形。小葉のにさは7〜10p、幅は、1〜3pで個体差がある。葉柄の長さは2〜5p。葉の裏面はやや白味を帯び、表裏に微細な毛が見られる。
 花期は9月〜10月。花は赤紫の蝶形花で、小型だがよく見ると美しい。花はしぼむと青色を帯びる。(下写真)
 果実は豆果で、ヌスビトハギの果実に似ているが3〜5個が連結していて連結部分の切れ目が浅い。果実の大きさは長さ4〜7p、幅3〜4p。全体にかぎ状の毛が生えていて、連結した部分が離れて人や獣などに引っ付き、種子散布を行なう。
 名前の由来は、荒地に好んで生えることによる。 



     葉のつき方

 写真 2022.9.3 新田畑

     花の大きさ
写真 2022.9.10新田畑

      旗弁の斑紋

写真 2022.9.10新田畑

        花序
写真 2022.9.14新田畑

  しぼむと青味を増す花

 写真 2022.9.10新田畑

    花期から果実期へ
写真 2022.9.24新田畑

      托  葉
 写真 2022.9.10新田畑

     葉の表面の毛
 写真 2022.9.10新田畑

  種子の拡大写真
   ※準備中