エゾイトトンボ
暮らしとの関わり
 イトトンボのことを石黒では「ノウノウサマトンボ」と呼んだ。「ノウノウサマ」とは神様や仏様を指す言葉であるがこの方言名の由来は、交尾の時に雄が立ち上がった姿で外敵を警戒する姿勢が手を合わせて人が祈る姿に似ていたからであろう。(右下写真)
 キイトトンボは家の周りに沢山いたが(現在〔2005〕はキイトトンボは非常に少ない)エゾイトトンボは山地の池などの水辺に多くいた。タネ(家の脇の池)でも、たまに見られたが少なかった。
 エゾイトトンボの雄のあの鮮やかな明るい瑠璃色に(ルリボシヤンマの瑠璃色と共に)子供時代に魅了され、今でも忘れられないトンボだという人は筆者ばかりではないであろう。

(写真上・右上2005.7.21 落合) 


               交接

写真2011.7.13 下石黒

解 説
イトトンボ科
 北方系のトンボで北海道から福井・岐阜県にかけて分布するが太平洋側では福島以南では確認されていない。
 中型のイトトンボでオスの体は美しい淡青色。(右上写真上オス、下メス)腹部第2節上部にスペード型(三日月型も)の黒い斑紋がある。
 体長は3〜4p。連結状態で水面付近の水草に産卵する。
 名前の由来は主に北海道など寒冷地に多いことによる。




   交尾時の雄の姿勢
写真2005.7.21 落合