トビズムカデ
暮らしとの関わり
 石黒では、ムカデを「ヌカデ」と呼び、ヌカデというと、このトビズムカデを指した。石黒では普通に見られる。
 虫の好きの子ども達も、この大きなムカデは敬遠した。マムシに次ぐ恐い動物でもあった。
 噛まれると激痛があるためマムシと同様、怖れられた。昔から茅葺きやなどに侵入して、突然、天井から座敷に落ちてくることもあった。
 また、「ヌカデに噛まれたら鶏の鳴き声をまねるとよい」という俗信もあった。
写真2007.7.16下石黒

解 説
オオムカデ科
 青森〜沖縄に分布。日本最大のムカデで体調15pに達するものもある。
 頭はとび色で両側に各4個ずつの単眼がある。胴には21対のあしをもつ。
 森林の土壌に生息しているが人家内にもしばしば侵入する。毒腺があり噛まれると激痛があり腫れて痛みが数日間続くが生命に関わった例はない。
 餌は昆虫などの小動物。産卵は初夏に行われ数十個の卵を産む。雌は卵を抱えて保護して幼虫がかえっても巣立つまで2ヶ月餌を食べずに守り続けるという。