ツクツクボウシ
暮らしとの関わり
 ツクツクホウシのことを、石黒では「トコトコエス」と呼んだ。方言名の由来はその鳴き声から付けられたものであろう。
 お盆が過ぎるとツクツクボウシが盛んに鳴き出しススキの穂も出始め秋の到来を感じる。
 9月の半ばから始まる稲刈りの頃がツクツクホウシの鳴き声の最盛期であった。もっぱら鎌に頼って稲刈りに精を出す当時の人の耳には、このセミの声も忙しげに聞こえたものであろう。
 子供たちの夏休みも25日で終わり26日から第2学期が始まった。その後、稲刈りの最盛期には1週間ほど稲刈り休みがあった当時は子どもも農作業の労働力として宛てにされたのであった。→子どもの暮らし
 セミの大好きな子供にとって、ツクツクホウシはハルゼミ同様、簡単には捕まえることの出来ないセミであった。

(写真−上2008.8.20 右2008.9.18下石黒)

ビデオ資料 旧盆の頃に鳴きだすツクツクホウシ


     上、横、下から見た様子



写真2008.8.20下石黒

解 説
セミ科
 北海道から九州に分布する中型のセミ。
 オスは体長33o(ハネの先端まであわせると47o)。メスはやや小さく産卵管を持つ。
 体色は頭から前胸にかけて暗黄緑地に黒斑があり、中胸は黒色部の占める面積が大きく暗黄緑色の縦筋模様がある。
 ハネは透明で前ハネに黒っぽい斑紋がある。
 名前の由来は鳴き声によるもの。