タマゴタケ
暮らしとの関わり
 石黒では希に見かけるキノコの一つであるが、大型で傘が美しい紅色のため目に留まりやすい。
 筆者は、中学生のころに生家の屋敷続きのブナ林で見た記憶がある。卵型の幼菌が特に珍しく思ったことを憶えている。しかし、野草やキノコに対する興味は少しもなかった頃なので、一瞥して「変わったキノコ・毒々しいキノコ」ほどの印象しか受けなかった。
 その後、「HP-石黒の昔の暮らし」を作り始めてからは出会いの機会に恵まれなかった。幸い、製作に協力をいただいている政栄さんが大野地区で撮影に成功されタマゴタケの頁を作ることが出来た。その後は出会いがなく今日に至った。
 ところが先日、HPの制作に協力をいただいている大野出身の大橋洋子さんから完璧というべきタマゴタケの写真を送っていただいた。もちろんキノコにも地域差はあることを承知の上掲載させてもらった。
 ちなみに、この一見毒キノコらしく見えるタマゴタケは食べられるばかりか大変美味しいとのことだが、石黒では食べられるキノコとしては伝わっていない。「柏崎・刈羽のきのこ−柏崎植物友の会」には「汁物、鍋物等大変おいしい。コクの出ること最高」との記載が見られる。
 猛毒のベニテングタケに似ているため要注意である。

〔写真撮影上・右下大野2008.9.4政栄  右上2018.9.17
撮影地 福島 ・ 洋子


             現場の様子


            幼菌-2

             幼菌から老菌へ   

 写真 2018.9.17 撮影地 福島県伊達郡 大橋洋子

解 説
テングタケ科
 夏から秋にかけて広葉樹林内の地上に発生する大型キノコ。
 幼菌は白色の卵形であるが次第に上が破れて赤あるいは橙色の傘が現れる。
 成長すると中央に出っ張りのある平らな形に変形しその後は黄色味を帯びてくる。傘の直径は6〜18pで周辺に放射状の条線(溝線)がある。
 柄の長さは10〜20p。黄色の地にまんだら模様があり上部に膜質のツバ、根本に白色の袋状ツボがある。
 食用となり美味であるが素早く料理しないと独特の腐敗臭が出るという。



   幼菌からの成長の様子











 撮影地-福島伊達郡 大橋洋子

   傘の縁付近の溝線
撮影地-福島伊達郡 大橋洋子