キツネノエフデ
暮らしとの関わり
  昨日(2012.10.21)石黒在住の勝彦さんより、電話でキツネノエフデというキノコが家の近くに出ているという連絡を頂き、朝早く出かけた。
 キノコに詳しい勝彦さんの話ではスッポンタケの仲間であるとのことであった。行って見ると、確かにスッポンタケの仲間であることは、形のみならず基部に見られる球状の幼菌の皮からも納得がいった。
 同時に自分の目を引いたのは、スッポンタケとは異なり頭部とクキの境目はないことと、上部の赤と下部の白が溶け合う部分の、えも言われぬ美しい色合いであった。

 キノコに見とれて撮影をしていると、下石黒の在住の大半の方々がぞろぞろと県知事選挙の投票を終えて帰ってこられた。今では、過疎化も極限に至り、下石黒集落全体で18人ほどになってしまった。
 自分は、キノコの撮影を早々に切り上げて秋晴れの朝の村道で皆様と挨拶をかわした。
 
 これから、キノコの時期が過ぎるとほんの数日、山の紅葉が村を輝かす。だが、間もなく冷たい木枯らしがやってきて彩られた山をたちまた暗い褐色一色に塗り替えてしまう。
 そして厳しい石黒の本格的な冬の到来となる。
 この日も「今年の冬は大雪にならんといいがのう」という言葉を何度か耳にした。
 長期天気予報では今年は暖冬とのこと。毎秒1京数千兆回の計算ができるスーパーコンピュータを駆使してはじき出したであろうこの暖冬予報が的中することを期待したい。
 
(撮影日2012.10.21)


解 説
スッポンタケ科
夏から秋にかけて、全国各地のゴミ捨て場などの有機質に富む地上に発生する。
 幼菌は白く柔らかな殻につつまれていて長卵形でトカゲの卵に似ている。やがて白い殻を破って出るキノコは、先細りの角状で、高さ7〜12cm、太さは1cmほどとなる。
 色は上部が濃赤色で下部は白色。内部は中空で肉はスポンジ状でもろい。
 先端は黒褐色の胞子の粘液で覆われてていて悪臭が強くハエを呼んで胞子を散布する。
不食