ニホンアナグマ
暮らしとの関わり
 石黒では「ムジナ」と呼んだ。トウモロコシなどを食べる害獣として嫌われる。トウモロコシ畑の周りに網を張り巡らしても穴を掘って侵入するため防ぎようがない。
 ムジナの外にタヌキやカラスなどによる被害もあり近頃では、トウモロコシやスイカを栽培する家が少なくなっている。
 筆者も石黒の畑でスイカとメロンをタヌキにやられたことがあるが、彼らも完熟するのを待っているので、明日は最適な収穫日と判断して、翌朝畑に行ってみると先を越されているという具合で真に悔しいものである。
 畑の周りに網を張ってもアナグマの方はトンネルを掘って侵入するのでお手上げである。
 上の写真は国道353の上石黒地内の橋の上から撮影した。
 肉は、タヌキと異なり美味しいといわれている。昔から言われる「タヌキ汁」とはアナグマ汁のことであるそうだ。とくに、冬のアナグマの脂肪のった肉は味噌味に限ると言われた。
 下の写真は、政栄さんが下石黒の農道で撮った。これを見ると前足の逞しさが目を引く。この鋭い爪のついた大きな前足で穴をほり巣穴をつくったり、地中の木の根やミミズなども食べるという。

〔写真2010.6.25上石黒 右上−道郎 〕


     農道のナグマ−後ろ足より前足が発達している

撮影2014.9.22下石黒    政栄

       車で潰されたクリの実を食べる様子

撮影2014.9.22下石黒    政栄

  唯一の天敵といわれるヒトも恐れない過疎地のアナグマ
撮影2014.9.22下石黒    政栄

        冬ごもりから覚めたアナグマ

写真2016.4. 餅粮 高橋さん提供

解 説
イタチ科
 本州、四国、九州の平野から山地にかけてすむ。
 体は太くて短い、頑丈な四肢をもち体長45〜70p、尾の長さ5から15p。体重5〜13s。顔は平べったく目を通る二本の黒い縦縞がある。耳は小さく足は短く前足には大きな爪がある。
 巣は地中に掘られ長さ10〜20m、時には100mにも及ぶトンネルで群れですむ。5〜6月にかけて3〜4頭の子を産む。
 夜行性。餌はネズミ、カエル、昆虫や果実等。秋には冬ごもりのため特によく食べる。
 イタチと同様肛門腺から強いにおいの分泌物を出す。天敵は人以外にいないといわれる。



     顔の正面
撮影2014.9.22下石黒   政栄

       逞しい前足
撮影2014.9.22下石黒   政栄

     畑で餌を探す様子

写真 2018.6.11下石黒