暮らしとの関わり
昔は、石黒でタヌキを目にすることなど余程でなければなかった。ところが今では家のまわりにやたらと現れる。柏崎市街地の庭にも出没するというから無理もない。
右上の写真は石黒でクスサン(方言→スナンタロウの成虫)が大発生した2002年に山小屋の灯に集ってきた蛾を食べるタヌキである。食べ方は写真のように蛾の体の部分をくわえて羽を左右に出して巧みに噛み切り落として卵を持った体の部分だけを食べるのだ。
ちなみにその時に筆者が小屋の中で食べていたウィンナソーセージを投げ与えたが振り向きもせずクスサンの成虫をすべて食べ終わってから、あまり気が進まない様子で食べて草藪に消えた。よほどクスサンの成虫はタヌキには美味しいとみえる。
その年の夏は国道353のトンネル付近の街灯下には夥しいヤママユガの羽だけが散乱していたのを不思議に思った人もいたかも知れないがすべてタヌキの仕業である。
また、近年のタヌキによる畑作物の被害は目に余るものがある。とはいえ、里山が荒れてタヌキの生息環境も年々悪くなっているのであろう。
過疎化が進んだ故郷では、数十匹のタヌキが空家を冬のねぐらにしている様子も見られる。
(上・写真2006.9.25下石黒() 右上2003.8.9 下石黒・ 下2005.6.20落合)
家の近くにやって来たタヌキ
写真2010.3.12下石黒 政栄
農道を横切るタヌキ
2007.9.16下石黒
人慣れしたタヌキ
写真2016.5.25 板畑 長谷川
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解 説
イヌ科
日本では北海道から九州まで生息する。
体長は50〜68p、尾の長さは13〜25p、体重4〜10s。毛が深いためずんぐりとしている。四肢や尾も短い。
主に森林に住むが近年とくに都市の住宅街にも現れる。食物は雑食で昆虫、両生類、爬虫類、鳥、ネズミなどのほか柿や畑の野菜なども食べる。
糞は一定の場所にするので、ため糞となる。(上写真下)
灯下の昆虫を食べに来た狸
2002.10.05下石黒
イチョウが見られる糞
写真2016.11.30下石黒
農道を歩くタヌキ
写真2007.5.23下石黒
筆者が見た個体で最大
2008.9.27大野地内
病気で毛が抜けた個体
写真2009.5.14上石黒 政栄 |