前ページへ      原文  P.4    次ページへ     読み下し文
   

証果という。是、十一願必至滅度の願功なり
 。釈迦如来出世の本懐は極悪衆生の本懐を
凡愚を救うを以て本意とし給えば阿弥陀起世 の不思議を説いて出生の本懐を
とげ給えば五濁の衆生この如来真実の御言葉 を信ずべしと。祖師一代の
教なれば朝夕礼拝すべしとこの三幅を授与し
 給う。伊豫守喜びの余り其の後
剃髪を願いければ即ち御弟子となし法専坊と賜う。故に道場を立て
この六文字名号を中尊に崇め左右に偈文を安 置し終に延徳三年六月
九日、六十八才にして往生の本懐をとぐ。その息同じく本誓寺に
 意訳文
         

証果という。これは十一願必至滅度の願功で
ある。釈迦如来出生の本懐は極悪衆生の凡愚
を救うことをもって本意となされ、阿弥陀起
世の不思議を説いて出世本懐をとげた。
五濁の衆生この如来真実の御言葉を信ずべき
とおっしゃった。
祖師一代の教えであれば朝夕礼拝すべしと、
この三幅をくださった。
伊豫守喜びのあまり、その後剃髪をお願いし
たところ、すぐさま御弟子となされて法専坊
と賜った。
後に道場を建てその六字名号を中尊に崇め、
左右に偈文を安置し、終に延徳三年(149
1)六月九日、六十八才にて往生の本懐をと
げた。その息子同じく本誓寺に