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深くして専修一向の信者となる、この時、蓮 如上人より大品六字名号並びに正信
偈本願名号正定業より八句を二幅に遊ばし浄 土真宗に教行信証の四法有り、
真実の経、大無量寿経に行信証の三あり。行 というは第十七諸佛咨嗟讃嘆の
南無阿弥陀仏これを大行という。これを本願 名号正定業と演じ給う。次に信とはこの名 号は
衆生往生の願行を成就し給えし謂れを聞き分 けて、一心に弥陀に帰命するを以って
往生の正因と定め給う。これを十八願他力大 信心の体なり。これを至心信楽爲因(しし んがんぎょうがんいいん)と
択び給う。この信を得れば正定不退の身と なり頓(やがて)て滅度涅槃の証に至るを

 
 意訳文

深くして信者専修一向の信者となる、この時
、蓮如商人より大品六字名号並びに正信偈の
「本願名号正定業」より八句を二幅の掛け軸
に作られた。浄土真宗に教行信証の四法があ
る。真実の経「大無量寿経」に「行信証」の
三つがある。行というのは第十七願諸仏咨嗟
讃嘆(弥陀の名号をほめたたえること)の南無阿弥陀仏これを大行という。
これを本願名号正定業と仰せられた。次に信
とはこの名号は衆生往生の願行(がんぎょう)を成し遂げ給う。
その謂れを聞き分けて一心に弥陀に帰命するを以て往生の正しい因と定められた。
これは、十八願他力信心そのものである。こ
れを至心信条願因と択び給う。
この信を得れば正定不退の身となり、やがて
滅度涅槃の証に至るを