前ページへ      原文  P.2    次ページへ     読み下し文
   
都鄙の里を照らし慈雲広く扶桑の外に掩う、 これ、四生(シショウ)の終帰。万国の
極宗明らかなるものなり。ここに、予、弊坊 は、かの大谷の末流に浴する一宇なり。
その開基を尋ねるに、蓮如上人北国関東、祖 師の旧跡を慕い化(教化)を
施し給う刻み、信州高井郡笠原本誓寺に暫く 御教化の折から
男女老少群衆貴賤道俗その教えに帰すれば木 内郡という処に在□
暫くは、人々、帰依するやと疑い怪しみて、 その勧を聞き糺さんと御逗留し本誓寺
来り一座の法を聞きけるに密かにく宿善の時 、至りけん□到処に随喜感嘆の色
 
 意訳文

佛の光燈は、都や田舎の地を照らして、その慈悲の光は日本の外にまで及ぶ。
それは、生命あるものの最後の拠り所であり、すべての国の究極の規範である。
そこで、我が寺は大谷派の末流に浴する寺院である。その開基をたずねてみると、
蓮如上人の北国関東の旧跡を慕い教導した折に信州高井郡笠原の本誓寺にて御教化の
折に男女、老少、貴賤、僧俗すべてがその教えに帰すれば木内郡という処に在□
暫くは、人々帰依するかどうか確かめようと勧を聞き糺さんと御逗留され本誓寺に来られて、一座の法をお聞きになったところ、密かに信心を得る時が来たのであろう□、到る所に随喜感嘆の色