ダンボールを使った納豆づくり
                          大橋トシオ
 石黒では、昔から納豆を作るときにはワラのツトコ(稲ワラで作った現在のトレイのようなもの−ツトッコともいう)が使われてきました。→衣食住−食−納豆つくり
 しかし、昭和40年代になると改良型といいますか、次の様な簡単な方法が工夫されて普及しました。
 まず、ダンボール箱とワラを用意します。ワラはあらかじめダンボール箱に合わせた長さに切っておきます。そして、豆を煮ます。(味噌煮のときについでに納豆も作ったものでした)
 豆が煮ましたら、ダンボールの底にワラを最初は少し厚めに敷き並べて、その上に豆が冷めないうちに平均にひろげて置きます。そしてその上にワラを敷き並べてまた豆を入れて広げ、更にワラを敷くということを繰り返していっぱいになったら上に厚めにワラを置いてフタをします。
 そしてダンボールのフタをして毛布などで熱が逃げないように包んでコタツで3〜4日ほど暖め続けますと良い納豆ができあがったものでした。この時、熱が平均にまわるようにダンボールを日に何回かまわしてやることが良い納豆づくりのコツでした。それまでのワラのツトコによる作り方に比べると手間も省けます。豆の間にワラが挟まっているので納豆菌もよく混じるためか出来も良く、味もワラツトコで出した納豆と同じ味でした。
 また、味噌煮の時など一度に沢山の納豆を作ったときには、かめの中に塩を混ぜた納豆を入れて保存する家もありましたが日がたつにつれてヤジが少なくなってしまうのでした。