在郷軍人会 〔補記2〕
 現役として服役していない軍人の団体であり、軍隊から帰ってくると、在郷軍人として登録された。
 在郷軍人会は明治43年に「帝国在郷軍人会」として全国組織で作られた。しかし、陸軍だけであり、公的な組織ではなかった。大正3年に海軍を含むものとなり、大正14年には半官扱いの外郭団体となった。昭和10年に天皇機関説問題が起こったときには全国的に反対運動を展開した。
 1936年(昭和11年)に法律が制定されて陸海軍が所轄する公的な組織となった。そして、町村や工場に分会、市郡単位に連合分会、府県に支部がおかれ、師団司令部,連隊区司令部がその指導にあたった。その経過からしても明らかに徴兵を援けるための組織であった。
 
戦時中には国民統合と動員に重要な役割を果たした。地域に忠魂碑を建てて祭り、出征を見送り帰郷を出迎えた。また、予備役の訓練も行った。機関誌として「戦友」「我が家」などを発行した。
昭和20年8月31日、解散声明を発表して解体した。なお、帝国在郷軍人会令は同年11月5日に廃止された。


                     参考文献 国史大事典
※ 石黒村在郷軍人会