補記 bP



○ スカリ 〔大型カンジキ〕

 スカリは、楕円形のものが一般的であるが、石黒では、円形のものが多く使われた。豪雪地の石黒では、楕円形のものより、足が雪にもぐらないことと道つけ〔道踏み〕には、一度に広く踏まれるという利点があったためであろう。
 しかし、深い新雪のうえを歩いて他村などに行くには、円形のスカリは、歩きにくく適さなかった。
 どちらも、先に縄をつけて両手で持ち上げながら歩いた





  ○古文書に見る「蚊帳の祝儀」

 江戸時代の五人組仕置き帳に「婿取り嫁取の祝儀奢りが間敷儀これ無きように分限より軽く仕るべく、人大勢集め大酒飲むべからず、所により
蚊屋の祝儀、新宅の広め・・・・」という下りがある。
 蚊帳の祝いなどという習俗は初耳であり調べてみた。
 
 日本大百科全書によれば、蚊帳は「蚊屋」とも書き、かつて一枚の蚊帳をつくることは、一家の主婦にとって男が一代に家を建てることに匹敵する大仕事とされた。
 また、蚊帳は1日で縫い上げないと凶事が起こるとの俗信があり、大ぜいの女たちで縫い上げられた。
 そして、出来上がると、その蚊帳を吊って、その中で女だけで酒を飲んだり餅を食べたりしたという。これを「蚊帳祝い」「蚊帳祭り」「蚊帳仕立て祝い」「仕立て祝い」などと呼んだ。
 また、「蚊帳(かちょう)の祝儀」とよばれる嫁入り道具の一つとしての蚊帳の新調祝いも、江戸時代には大切な行事として各地に行われたという。
 つまり、五人組仕置き帳の「蚊帳の祝儀」とはこれらの習俗をさしたものであろう。 

  

 
(上記載 五人組仕置帳-田辺重順家文書)