チャガマ      
 
 
 昔はどこの家にも囲炉裏があった。当時、囲炉裏は煮炊きをする場所でもあったので夏でも薪を燃やしていた。
 とくに冬季は暖房を兼ねたため朝から夜寝るまで火を絶やすことなく燃やし続けた。煮炊きをするとき以外には必ず鉄びんやチャガマをかけて囲炉裏の熱を効率よく使った。
 チャガマでわかしたお湯には色々な用途があった。茶碗洗いや洗濯の用水や馬の餌の切り藁にかけたり、時にはお風呂のお湯の調節に使った。現代の温水器の役目をしていたといってもよかろう。容量は5升(約10リットル)から8升(15リットル)入りのものが多く使われていた。まれには1斗(18リットル)の大茶釜も見られた。