米俵締め具
 供出米の俵ごしらえは材料のワラ、縄にはじまり、編み方作り方等厳しい決まりがあった。また、米を詰めてからの俵作りもコツと力の要る仕事で大変な重労働であった。
 昭和40年(1965)頃になって俵締め具が農協を通して普及してからは随分と楽になったといわれる。この用具を使うと一日20俵の俵を作ることが出来たという。また、女性でもこの器具を使う事により俵ごしらえができたという。
 筆者も高校卒業後、村の達人(下石黒屋号-シカゲ)の方に指導してもらい、何とか作れるようになった。締め方は縄を一巻きして縄を両手で手前に引くようにして俵を足で転がして締めるので楽な仕事ではなかった。この締め具は、俵の筒状部分の三か所を締めるこの作業に威力を発揮したようだ。
(下補説参照)

民具補説→俵ごしらえ