洗濯桶と洗濯板 
 洗濯は、昭和30年(1955)代に電気洗濯機が普及するまで、上の写真のようなタライ〔木製から金属製と変わった〕と洗濯板が使われた。洗濯板が普及したのは明治以降の事といわれている。洗濯板の溝は石鹸水を留めるように湾曲に掘られている。(左写真)
 桶に半分ほど水を張り、写真のように洗濯板を置いて、洗う衣類を強く押しつけて前後に動かして洗った。 
 洗剤は固形石けんが使われた。大家族の多かった当時、主婦の洗濯は炊事や農作業の合間に行わなければならず大変な負担となった。農作業着のモモヒキなどはタネで水洗いして乾かすだけであった。(写真)
 水は風呂の残り水を使ったが夏の渇水期には、川に持って行って洗うこともあった。
 当時は7〜9人ほどの家族が多く、下着の洗濯は1週間に1回ほどであったであったように記憶する。

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