繭ケバトリキ  
 毛羽取り機は、石黒では数軒で共同で使う家が多かった。
 毛羽取り木はマブシからはずした繭を双子繭や未熟繭を取り除いた後で更に表面の毛羽を取り除くための機械であった。 
 毛羽とは、蚕が繭を作り始める時に足場にするため吐糸したもので、繭の表面を覆っている真綿のような糸である。これは生糸として価値はないので取り去る必要がある。
 竹の格子の部分に繭を載せて左前の覆い受け皿を開いてハンドルを回す。繭を前に押し出すと継ぎ目の所で刃が回転して毛羽を取り除く仕掛けであった
子どもにでも出来る仕事であったため小学校高学年のころから毎年手伝った。
 こうしてケバトリキにかけてきれいにした繭を出荷した。


参照→四季の農作業