回転マブシ    
 昭和30(1955)年代まで、石黒では養蚕が盛んであった。マブシ(蔟)は蚕が繭をつくる足場となるものである。回転マブシは、昭和40年代から使われるようになった。
 それまでは、ワラを折ってつくったワラ製マブシが主に使われた。(参照→ワラマブシ作機
 筆者が小学生の頃(昭和20年(1945)半ば)のマブシはワラを折り曲げただけの簡単なものであった。その後右写真のようなワラ製マブシが使われるようになり、さらに回転マブシに変わった。
 回転マブシは厚紙で作られていて10枚一組で上左写真のように横にして下げておいた。蚕は上に移動して繭作りをする習性があるので蚕が上部に集まるとバランスがくずれ自然にマブシが回転する仕組みであった。
 蜂の巣状の区画に繭〔まゆ〕を作らせる回転マブシは、むらなく玉繭も少なく、場所も取らず、折りたためば収納も簡単であり多く使われた。
参照→四季の農作業
     ワラ製マブシ