コタツヤグラとコタツ網
 昔は、冬の暖房はコタツであった。どこの家にも座敷には囲炉裏とコタツがあった。囲炉裏で、一日中薪を焚いていたが家の天井が高い上にすき間だらけで暖房効果は望めなかった。
 とくに、子どもにとってはコタツはなくてはならないものであった。コタツは、子どもの冬の遊び場であり、本を読んだり勉強したりする場でもあった。
 熱源は囲炉裏で出る熾(オキ−薪の燃えがら)であった。囲炉裏のホド(火床)のオキを十能(小さな角スコップのような形の道具)に火箸でかきいれて、コタツに運んで周りを灰で覆うようにしておくとオキは長持ちをした。囲炉裏に沢山オキがでると「ねら、いいオキが出たすけ、コタツへ持って行けや」などと囲炉裏から大人が声をかけるのだった。
 また、コタツ網は火傷と火災を防ぐために大切な用具であった。

民具補説−造りつけのコタツの炉