火吹き竹      
  昔はどこの家にも囲炉裏があり薪を燃やして煮炊きをしたり暖房したりした。囲炉裏の他に釜戸や風呂の燃料も薪であった。
 薪を焚くときには火吹き竹で酸素を送り込んでやると焚きつけがスムーズにできた。→参照
 特に奥行のある風呂釜の火焚きは子どもにはそのコツを習得するまでは難しかった。安易に燃やしていると奥の肝心の風呂桶の部分は真っ黒で口元で火が燃えている。そんな時には、火吹きだけが役に立った。筆者などは小学校高学年になってようやくそのコツを習得した。
 また、火吹き竹は、常に囲炉裏端のまわりにあるのでいたずらをした猫、時には子どもを叩いて躾をする道具にもなった。
 また、ツグラが使われていたときには、ツグラの底下に火吹き竹の先を入れて時々、揺すってやりながら繕い物をしたものだという。