アイロン   
 明治の頃から使われた炭火アイロン。「西洋火のし」とも呼ばれた。
 石黒では昭和になって使われるようになった。蓋を取って囲炉裏のオキ(赤く熾きた炭)をいれて熱源とした。
 常に囲炉裏で薪をたいている昔の暮らしの中では重宝な道具であった。取っ手は木製で熱伝導を遮断する工夫がなされていた。熱面が現在のアイロンと同形同大であり効率も良かったものと思われる。
 筆者は、小学生のころ〔1945年前後〕に囲炉裏の中から未だ煙のでるオキを探して、このアイロンに入れて汽船を想像して遊び、母にひどく叱られたことを憶えている。
 この他、柄杓型のヒノシもあった。また、和裁などに使われたコテ型-直接囲炉裏の火床に入れて熱する火のしもあった。